新築で間取りを考える時、重視するのは何?
使い易さ、おしゃれなデザイン、快適な設備と理想は山盛り。
明るく開放的なリビングも素敵!
ハウスメーカーの展示場で見たかっこいいインテリアにもトライしてみたり。
理想のマイホームへ向け色々な試みがあるはず。
でも、そんな住まいが完成し新居での暮らしが始まってみると
「アレレ?なんで気付かなかったんだろう」と
想定外の気付きに直面する事が時に起こります。
プラスになる誤算であればオマケ気分でラッキーなのですが、それがマイナス事だったら・・・・
失敗気分は誰しもが味わいたくないですね。
そんな話のひとつに間取り上における敷地外からの視線の干渉の問題が含まれます。
特に多いのが特定の誰かから覗かれるといった深刻な事態では無く、
「道路を歩く人と視線が合う様な気がして何となく落ち着かない」
といったレベルの不具合。
深刻なものでは無いので「気にしなけれ気にならない」とは言いながらもリビングでソファにくつろいでいると何だか落ち着かない。
結局はせっかく開放的な空間を演出する為に採用した大きな窓も、常々レースカーテンを「ピシャリ」と閉ざし、期待した効果も半減なんて具合ではちょっと残念ですね。
こうした話の多くは計画段階の間取り図からは読み取れず、新築完成後に初めて気付くもの。
特に道路を背負う北道路の敷地よりも、リビング方向に道路がオープンに接している立地は、本来なら日当たりや開放感を演出するには好条件なはず。
ところがその反面敷地外からも開けた空間となってしまい、そこに気付かず何も対策が取られていないと、こうした負の想定外が起きてしまう事もあるのです。
これは必ずしも特別な条件が揃った場合のみ起こり得る事では無く、道路方向に対して開放的な間取りを採用すればどの土地にも十分に起こり得るものです。
だからこそ予め注意を払っておきたいテーマなのです。
それではそうした事に対応出来る間取りとしてどの様な案が考えられるのでしょうか?
今回はこのテーマに則した間取りをいくつか挙げてみましょう。
⬜︎ セミ中庭間取りでプライベート空間
気になるならないと言うのは感覚の問題なので一概にどの程度と計れるものではありません。
個人の感覚だけで無く周囲の立地環境が作用する事もあり得ます。
場合によっては、かなりガッチリとガードを求めたくなるケースも考えられるでしょう。
そうした場合四方を完全に囲った「中庭」という方法も一案ではありますが、中途半端な規模の中庭は「通風」「日照」それぞれが不十分な状態となり、湿気が充満しメンテナンスに苦労する懸念すらあります。
無理に四方を囲うよりは一方を開きセミ中庭とする事でこの弱点を解消する方法も考えられます。
その例がこの図です。
開けたラインは植栽、スリット、目隠しフェンス等でカバーすればセミ中庭空間はプライベート空間。
アウトドアリビングの役割も果たせます。
プライバシーの保持という点ではこの上無いのですが注意点も。
それは2階建とする場合に2階の乗せどころを間違うと中庭が陰になり、圧迫感が出てしまう可能性です。
1階の間取りに集中しすぎてこの事を見落とさない様に注意を払う事が欠かせない案だという事をお忘れなく。
また、コストは少々割高になるでしょう。
⬜︎ 周囲に壁を巡らした中庭風間取り
上の案の様に三方を囲ったコの字型とまではいかず、L字型の形状にとどめれば間取りの自由度は増し、2階の影響も受けにくくなります。
しかしながら、このままでは外部からの視線に対しかなりオープンになってしまいますので、開いた二方向に壁を廻し、視線を遮断したのがこちらの間取りです。
こうすれば中庭空間の独立性は先の案と比較しても遜色無いはずですが、例示した間取り案は中庭が玄関へのアプローチの役割も果たしていますので、囲いの壁部分にも扉を設置するなど工夫した方が良いでしょう。
また、あまりガッチリと囲いすぎても、そもそも期待していた開放感が阻害されてしまいますから、囲い部に適度なスリットを設ける等すると通風性も改善できます。
中庭の様子もご覧ください。
リビング始め1階居室から中庭へ続く空間はかな
りオープンになっています。
これなら開放感も演出できますし、充分な日当たりも期待出来ます。
アウトドアリビングの様な空間を楽しめそうですね。
晴れた休日はこの中庭でティーパーティーを楽しんだり。
インテリアとしてもおしゃれな空間になるでしょう。
因みに囲いの部分は外壁素材を用いれば建物と一体化しますのでデザイン的にもベストですが、コストダウンを考えるのであれば目隠し機能のあるフェンスで代用する事も考えられます。
先のコの字案にも共通して言える事ですが、通風性に加えて排水性にも気を配りませんと、極度の大雨の際に雨水が飲み込み切れなくなるのでここには注意が必要です。
⬜︎ L字間取りのオープンタイプ
L字型の間取りにはしたものの敷地寸法等、条件によっては上記の様に周囲を囲う事は難しい場合も出てくるでしょう。
例えば右図の様な間取りの場合、カーポートスペースが占有してしまい中庭の様に囲う事は叶いません。
特にご夫婦で車通勤といった場合は2台それぞれが独立して出入り可能な方が効率が良く、2台縦列駐車で毎朝通勤時間に車の入れ替えでは大変そうです。
そうなると敷地に余裕が無ければこの図の様に中央部にカーポートスペースを配置し、これを上手く避けながらのL字間取りは、日当たりや開放的空間の確保という点では効率良いゾーニングではあるのですが、特に道路に対して接近している部屋(この場合リビング)が外部と視線がバッティングし易くなるというウィークポイントが悩みどころです。
こんな場合は間取りそのものでは無く、アイテムを上手に使って対策を考えたいですね。
平面図だけでは分かり難いので外観図も使いながら説明しましょう。
まずリビング前は目隠しフェンスの様なものでガッチリと囲えば、視線の干渉は防げますが室内からの眺望も閉ざされ、通風性も阻害されてしまいます。
そこでリビング前に角柱の連続立てという方法はどうでしょうか。
地面レベルから2M程度の高さの角柱を間隔を開け並べていくのです。
これであれば室内から正面に視線を向ければ角柱同士の間からカーポート方向に視線が抜けますが、角柱の寸法と間隔が適切ならば斜め視線の道路からの差さりは防ぐ事が出来ます。
これならば通風性も阻害される事はありません。
また、どうせならば南面のメイン開口部だけで無く、サイドにサブの開口部も取りたいところです。
でもここはまともに道路に面しており距離的にも余裕がありません。
そこで採用するのがハイサイドライト、いわゆる高窓です。
窓の下端を人の背丈以上の高さに設置すれば外部と視線が交差する心配はありませんし、気配自体薄らぎますので室内での生活でも落ち着いた空間となるでしょう。
一見便利なハイサイドライトなのですが、デザイン上は少々気配りが必要です。
ハイサイドライトそれ自体はおしゃれ感といった様なデザイン上別段目立った特徴は無いのですが、同じく使われる他のサッシと比べると、設置レベルが一段高い位置に置かれ、形状も明らかに横長と独特な事から調和を取るのが難しく、何らかの法則性、規則性を持たせて設置したいのです。
そこで、同じ面の1階2階にシンメトリーを効かせた状態でまとめてみました。
皆さんのお好みに合いそうですか?
⬜︎ セミクローズのサンデッキ
家づくりのご希望の中で割とよく登場するものの一つにサンデッキがあります。
リビング前に設置すればバーベキューを楽しんだり、家族気軽なイベントのアイデアが広がりそうです。
でも、ここでも外からの視線の問題は同様に考えられます。
特に面前の道路の通行状況や近隣が建て込んだ状態であったり、それに加えてこの場合も敷地にあまり余裕が無ければ、周囲との距離も接近し落ち着かない空間になる懸念があります。
それではせっかく設置しても気が引けて充分に楽しみ切れないかもしれません。
こんな場合のアイデアが右図の間取りです。
サンデッキはオープンな空間の中で楽しめればそれに越した事はないのですが、敷地の広さや近隣環境は変えようがありません。
物理的にそれが叶わないのであれば、一番機能的な代案を求めるのが最善です。
リビングとサンデッキの位置関係は両者をオープンな状態にしたいところですが、配置を間違えると今度はリビングまで外部に向け開放的になりすぎ、外部との視線の衝突が起きてしまいかねません。
そこでリビングサイドに陣取り、更に隣地境界との間には外壁の袖壁で押さえればセミクローズのサンデッキが出来上がります。
また、2階の取り合い如何ではこの上部に部屋や屋根を設ければ風雨を遮ることも出来るので、天気に左右されず気兼ねなくオープンエアの空間を楽しむ事ができるでしょう。
因みに先程ご紹介した角柱はここでも効果を発揮しそうですね。
さて、外からの視線への対策をいくつか上げてきましたが、全ての案について共通して言える事は間取りの企画段階でその懸念を察知し対策を講じるのが重要だと言う事。
事後的な対処療法で臨んでは最善の選択肢を採用するも余地も限られてくるでしょう。
やはり信頼出来るプランナーの協力を得るのが成功への近道です。
これから家づくりに取り組もうとしている皆さん。
既に家づくりを始めたものの苦戦中の皆さん。
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