マイホーム購入する多くの方に不可欠な住宅ローン。

そこで気になるのは金利の水準。

相談先のハウスメーカーや銀行窓口での説明やネット情報収集でもここは関心が集まりやすいポイント。

一方マイホーム購入時の住宅ローン以外にも我々の暮らしで金利が関わる分野があります。

代表的なのが預金金利ですね。

こちらはすずめの涙ほどの金利しか期待出来なくなって久しいのは寂しい限りです。

借りるには少しでも低く、増やすには少しでも高くというのは金利に求める理想ですが、中々そう上手くはいきません。

かつての様に、ある程度の持ち金があれば金利だけで食っていけるという例え話の高金利時代も今では夢の様にも思えますが、反面借りる金利も大層なものです。

ピーク時の住宅ローン総返済額は元本の3倍にも及んだのです。

さて、こうした様々な顔を持つ「金利」ですが、結局金利って何なのでしょう?

暮らしの中で無関係ではいられないのが金利です。

ご一緒におさらいしてみませんか。

 

⬜︎  金利はどこから?      

まず始めに金利はどこで発生するのでしょうか?

それはお金の貸し借りが発端となります。

例え話で説明してみます。

皆さんがどこかの観光地で「貸し自転車屋」の商売を始めたと仮定して下さい。

あっちの名勝、こっちの名所と動き回るには便利なアイテムとして需要があると見込んでの事です。

さてこの貸し自転車、商売として貸すからにはタダという訳にはいきませんね。

当然「レンタル料」としてのお代を貰わなければ商売が成り立ちません。

ここでこの話を銀行の住宅ローンに置き換えてみましょう。

この場合レンタルするものは何でしょう?

そう、お金です。

銀行は商売でお金を「レンタル」しますので当然タダという訳にはいきません。

この場合の「レンタル料」が「金利」と考えると分かりやすいのではないでしょうか。

いわゆるお金の借り賃という事です。

⬜︎  金利の水準は?     

それではレンタル料はどのくらいの金額が妥当でしょうか?

勿論、高ければ高い程儲けは見込めますが、あまり高過ぎては誰も借り手がいなくなってしまいます。

これは他の物の販売における「売値」でも同じ事が言えますね。

こうした時、まずは「原価」が売値設定のベースになります。

この場合の原価とは材料仕入れ価格、手間賃、ですがそれに光熱費などの経費も加えた額です。

売値がこれを下回れば、大安売りで買い手にはお得でしょうが赤字では商売が成り立ちません。

原価を超え適度な「利益」を乗せた金額が「売値」の目安となるはずです。

これを先の貸し自転車屋さんに置き換えれば、原価として店頭に揃える自転車の購入費用などを考えレンタル料が導き出されるという事です。

それでは銀行の原価は?

まず銀行は貸し出すお金を何処で準備するのでしょうか?

銀行も主たる貸すお金を全部自前で準備している訳では有りません。

どこかで借りて集めねばなりません。

ここで主だった借り先は日銀や我々が預けている預金です。

我々は日常「銀行にお金を預ける」という言い方をしますが、別な言い方をすれば「銀行にお金を貸している」とも言えるのです。

その場合、我々も「貸し賃」として金利を貰いますし、日銀も同様です。

この銀行が集めてきたお金に掛かる金利負担が原価にあたるものであり、これに利益を計上した値が銀行が貸し出す金利になるのです。

だから一般的には借りる金利の方が預ける金利よりも高くなるのですね。

 

⬜︎  誰に貸すかでも金利は変わる    

売値は原価がベースになる事はわかりました。

それでは利益はどの位見込めば良いのでしょうか?

あまり暴利でお客さんに愛想尽かされるのも心配ですから、最低限に抑えた方が良いのでしょうか?

でも、ここで考えておかねばならないのが事業に付随する「リスク」への備えです。

商売に付随するリスクに備えるためのコストを計算に入れておかねばなりません。

物の販売であれば仕入れた商品を完全に売り切れば良いですが、売れ残りの余剰在庫発生リスクがあるのであれば、この分を売値に加算しておかねば心配です。

例題の貸し自転車屋さんの場合は自転車の持ち逃げや壊されてしまう事態もリスクとして考えられるのではないでしょうか。

貸したは良いがそれが最後では先の原価計算が根本から狂ってしまいます。

そうした懸念を抱えた状態であればレンタル料にそこのロス分も加えねばなりません。

そんな事態が頻繁に起きそうであれば自ずとレンタル料も高額になり、優良なお客さんからは敬遠されてしまうかも。

それではどうすれば良いか?

貸す相手の信用度を確かめればこのリスクは低減させられますね。

身分証明をチェックしたり予め保証金を預かるなどして、危ぶまれる相手を避ける事が出来れば良いのです。

後はチェックの度合いです。強化すればリスクは低減しレンタル料も安価に出来ますが面倒がるお客もいるでしょう。反対に緩くすればリスクが増加する分レンタル料に反映しなければなりません。

この様に貸し先の信用度がレンタル料にも影響を及ぼす仕組みは金融機関も同じです。

住宅ローンであれば審査を緩くするのなら、その分金利に反映しなければリスクを自らが負うことになってしまいますし、債権投資であれば貸し先のリスク度に比例して金利のプレミアムを得られなければ割に合わない事になってしまいます。

基本的な構造としてはリスクと金利は比例するものと考えられます。

⬜︎  景気の影響       

利益幅にはもうひとつの観点があります。それは「景気」の影響です。

再び貸し自転車屋さんです。

お店を開いている観光地がテレビで紹介され観光客でここ数年大賑わい。

こんな場合は少々強気なお値段でも商売繁盛が続くかもしれませんが、そんなブームも去り訪れるお客もだいぶ落ち着いてしまえばいつまでも強気のお値段とはいかないでしょう。

景気によってもレンタル料は影響を受けるという事です。

金融機関の場合も基本は同じ。

景気が良く家を建てたり、事業拡張と資金の需要が旺盛であれば高い金利でも借りては現れるでしょうが、反対に不景気な環境下では積極的にお金を借りてまで何かをしようという人はグッと減ってしまいます。

こんな時に高金利では尚更誰もお金を借りてくれません。

したがって景気が悪くなれば金利を下げざるを得ないという事になります。

貸し自転車屋さんの場合は局地的な市場で起きる現象ですから同じ時節でも場所、業種により景気はまちまちですが、金利はお金の需要という全国に及ぶ話なので国内全体の包括的な景気に左右されます。

しかしながら通貨をまたいだ場合はその限りではありませんので、国ごとの金利水準が異なるのです。

 

さて、ここまで金利とは何なのかを簡単に整理してみました。

表面的に現れる金利の上下や水準は決して唐突なものでは無く、そこに至る背景には理由があるという事です。

具体的な動向の話なると更に詳しい解説が必要ですが、まずは金利ってこんな存在なのだというイメージをつかんでいただければ幸いです。