⚪︎ 提案間取りがしっくりこない、気に入らない。
⚪︎ 何度打ち合わせしても決まらない。
⚪︎ これ本当に良い間取り?見方がわからない。
⚪︎ 良い設計士さんの見分け方は?
注文住宅で新築するならば理想の家づくりにチャレンジ!
素敵な間取りやおしゃれなインテリアを想像すると楽しみになってきますね。
でも・・・・
そんなワクワク感とはうらはらな結果も・・・
✓ 何度打ち合わせしても決まらない。
✓ そもそも間取りを見分けるポイントもよくわからない。
複数のハウスメーカーから何度間取り図を提案されても決め手を欠く案ばかり。
家づくりが思う様に進まず疲れすら感じている方は少なくないはず。
⚫︎ 土地の問題?
⚫︎ 設計士の技量が低い?
⚫︎ 要望が伝わってない?
手を打とうにも原因がよくわからない。
なんだか全部あてはまっているような‥‥。
でも、冷静に考えれば
◆ そもそも長所ばかりの土地など存在するの?
◆ 設計士の技量をどうやって見分ける?
◆ 充分過ぎるほどにヒアリングも受けたような
どうすればいいのでしょうか・・・
実は間取り提案作成や打ち合わせの流れには、ある共通する問題点を見つける事ができるのです。
今回はそうした悩みを抱える皆さんに、間取りづくりがうまくいかない原因と解決策のヒントのお話です。
目次
新築注文住宅の楽しみは間取りづくり!
マイホーム購入を思い立つきっかけは様々。
また、マンション、一戸建て、中古住宅、新築とマイホームのジャンルも様々。
そうした選択肢の中から新築一戸建て、尚且つ注文住宅を目指す方々にとって、間取りづくりは楽しみでもあり、重要なテーマでもあるでしょう。
でも、いくら自分の理想通りの家を目指すといっても、独力での間取りづくりは荷が重すぎますすね。
間取り図の作成を自分自身のみの力で完結できる方など極々少数派。
となれば目星を付けたハウスメーカーや工務店、設計事務所に間取り図の作成を依頼するのが現実的。
そして我が家の素敵な間取りが提案されるその瞬間を期待と不安を織り交ぜながら待つのです。
いよいよ完成した間取り案とのご対面!
間取り図の提示と共に、その提案のコンセプトや特徴の説明を受け、新居での暮らしのイメージがどんどん膨らみます。
でも目の前の間取り図は平面的な描写にすぎません。
おしゃれなデザインだって新築注文住宅の楽しみの大切なテーマ。
それならば立体的に素敵な外観図も添えられれば、よりいっそうリアルです。
例えばこんな風に
こんな住まいが完成した場面を想像するとワクワクしてきますね。
ところが・・・・・
こうした展開を期待していたものの、思い通りには事が進まないのが冒頭に掲げた様なお話です。
間取りが気に入らない状態とは?
それでは間取りが決まらない、気に入らないと言うのはどの様な状況なのでしょうか?
必ずしも一元的な訳では無さそうです。
①提案間取りが気に入らない、しっくりこない
間取りの提案を受けたものの、気に入らない、しっくりこない出来栄えにガッカリ…。
✓ 一応希望は入っているけど、無理やり詰め込んだだけの印象
どんな素敵な提案をしてくれるのだろうと期待が大きければ大きいほど落胆の度も増してしまいます。
「現実はこんなものか」と夢が遠のく気分に、家づくりの意欲も薄らいでしまいそうです。
こうしたストレートな提案間取りへの不満がまずは考えられますね。
②何度打ち合わせしても決まらない
「最初から一発で素敵な間取り提案を受けるなんて期待してなかった」
こうした冷静な受け止めをする方もいることでしょう。
「一回では気に入らないとしても徐々に煮詰めれば良い」
という考え方です。
そして再提案の打ち合わせを「今度こそ」という気持ちで迎えます。
ところが・・・・
確かに前回指摘した部分に手を加えた形跡はありますが、全然納得いかない出来に変わり無し。
オマケに前回の提案には盛り込まれていたはずの要望事項がそっくり消えています。
気にいるとか気に入らないとか以前の残念な出来栄えにまたしても決まらない。
こんな不毛な打ち合わせが二度三度と重なればさすがに気が滅入ってしまいますね。
③間取りを読み取るポイントがわからない
時に設計士の説明が不充分であったり、時間的制約からか説明の機会を設けず提案のみを受け取るというシチュエーションは間々ある話です。
間取り図をポンと手渡されても、どこをチェックすれば良いのか戸惑いはしませんか?
なにしろ間取りを読み取り良し悪しを見極めようとしても、これを日頃から見慣れている方などは少数派。
目を向けるべきポイント自体がわからなければ適切な評価を下すにも戸惑う事でしょう。
本来であれば設計士からの提案の提示に併せた説明で補完したいところですが、この場面ではそうもいきません。
この様な状況では間取りの評価はどうしても感覚的要素への偏り を生じるものです。
また、充分な説明を受けていた場合でも、複数のハウスメーカーから提案を受けた内容を自宅で振り返ってみたものの、情報過多がもたらす頭のオーバーフローが同様の状態に陥らせる事も。
結果として「ピンとこない」「しっくりこない」部分が間取りの不満としての現れる事もあるでしょう。
④最悪なのは新築完成後の発見
ここまでのケースは、家づくりの検討段階で直面する間取りへの不満でした。
でもこれらへの気付きが新築完成後であったらどうしましょう?
図面上ではわからなかった不足部分も完成すれば一目瞭然。
気にいる部分も、気に入らない部分も‥‥
でもマイホームでの暮らしの中で「ここが気に入らない」「あそこもイマイチ」と気付かされたとしてももはや手遅れです。
何としても避けたい事態ですが、失敗談としてありがちなのは残念なところです。
間取り提案で見極めたい3つのシグナル
これらに対し施主として、どの様に臨むのが最善なのでしょうか?
端的には技量の低い設計士、相性の悪い設計士に家づくりのサポートを期待しても、残念ながら多くは望めない事は間違いなさそうです。
それならば早期にそれを見極め深入りを避けるのが肝心。
期待外れの無駄な打ち合わせを回避し、心身共に余裕を持ち冷静な状態で家づくりに臨むのが賢明です。
当然間取りの不具合に気付かずに建物完成を迎えてしまう様な事態も避けられます。
但し大きな問題が・・・
どの様にしてその見極めをするかの方法論です。
ここまでの展開は概ね皆さん共通認識かもしれませんがその実践が難しいのでは?
でもご安心ください。
それを察知したい場面では多くの場合、
あるシグナルを見つける事ができるのです。
3つの典型例をご紹介しましょう。
①聞きっぱなしのヒアリング
ハウスメーカーに間取り提案を依頼するにしても、いきなり何の情報も無しでは作成する側も困ってしまいますね。
そこで皆さんの現状や要望といった必要情報を把握する為のヒアリングが行われます。
予算、敷地状況(土地探し含む)の確認は勿論、
間取り提案に直結する部屋数・広さ・持込む家具・趣味・好みのスタイルetc
事細かに希望や好みの傾向のお尋ねや、皆さんからもたくさんの要望が投げ掛けられる事でしょう。
特に昨今の傾向として、ハウスメーカー、工務店を問わず多くの社がこのオペレーションを重んじる傾向が強く見られます。
でも、実はここに落とし穴があるのです。
何が問題なのでしょうか?
それは交わされた情報の扱いにあります。
と言うのも活発なヒアリングが行われるほど交わされた情報量は盛りだくさんになるはずです。
でも、ヒアリング終了時点で、それらひとつひとつの実現の可能性の議論や矛盾点の整理なしに聞きっぱなしの状態でプランニングが開始されたらどうなるでしょう?
その通り!
「何を優先すべきか?」「予算や敷地状況と希望の整合性」これら課題が混在したまま作業着手後に初めて露呈する恐れが十二分に有ります。
完成度の高い間取りとは予算、敷地状況、建築法規、物理的要件、理想、希望といった個々の要件に整合性を備えたものであるはずですが、情報整理をおざなりにしたままでは調和など図れる訳もありません。
⚫︎ このご希望は予算や敷地状況とマッチしません。代案としてこれは如何でしょう?
⚫︎ AとBのご希望は次の理由から並立は困難です。どちらの優先順位が高いですか?
プランニング前にこうした情報整理を交わす事が欠かせないという訳です。
聞きっぱなしのヒアリングは満足いかない間取り提案、ひいては実りのない打ち合わせを察知し回避する最初のシグナル!
注視してみてはいかがですか。
②手抜き間取り図
先にも述べた通り、間取り図の読み取りというのは意外と難しいものです。
同じ間取り図でも目を向けるべきポイントがズレてしまえば、その評価も大きく変わる事でしょう。
そこで設計士からの解説がサポート役として期待されるのです。
提案された間取り図の設計意図や各部屋の広さ、暮らし方、おしゃれにコーディネートする方策などについての助言は、皆さんの知識不足を補ってくれるであろうからです。
その意味で提案の受け取りのみで終わらせる事は避け、是非とも設計士の解説には耳を傾けたいところです。
提案を受ける際もう一つ重要なポイントがあります。
プレゼンテーションのクオリティーです。
単なる間取りの姿が描かれているだけでは無く、リアルにそれでいて夢を掻き立てる素敵なプレゼンテーションは、家づくりの精度を上げ楽しさを更に盛り上げてくれるはず!
提案の企画内容だけではなく、どの様なプレゼンテーションを提供してくれるかは、設計士の力量を探る上でも重要な手掛かりにもなるはずです。
しかしながら、それとは反対のケースもあります。
例えば下の図をご覧ください。
何だか見覚えがありませんか?
実はこの図、このコラム冒頭にご紹介したものと全く同一の間取りなのです。
でも雰囲気が全く違った印象を受ける事でしょう。
何が違うのでしょうか?
おしゃれ感とでも言うべきか、全体的なクオリティー差は直ぐに感じ取れると思いますがそれだけではありません。
⚫︎ 家具レイアウトの描き込み
⚫︎ 敷地全体を含めた間取り描写
これらの表現が前者には有りますが、後者には見当たりません。
いわば手抜き間取り図です。
両者を独りで読み取る場面を想像してください。
家具レイアウトや庭、駐車スペースの具合が一目で確認できれば、その間取りの住まいの暮らしのシーンもイメージが湧きやすいはずですが、
道標とも言えるそれらの描写が無ければ独力での理解は中々大変です。
仮に打ち合わせで設計士の解説を受けていたとしても時間が経過すれば失念する事もあるでしょう。
帰宅後に図面を眺め、夫婦で振り返りをするにもお互いの理解にズレがない様わかりやすさを備えているに越したことはありません。
こうした認識ポイントのズレが間取り提案への不満として向かってしまう事もあるのです。
何よりもそうした施主の状況を察し、怠りなく準備をするのが頼れる設計士であるはず。
「手抜きプラン」でのプレゼンテーションを採る様ではチョット‥‥。
③立面図での提案は?
前項でひとくちに間取りが気に入らないといっても、いくつかの状況下でのパターンがある事を確認いたしました。
その中でも最悪は、新築完成後にこれに気づくパターンである事に皆さん異論はないでしょう。
家づくりの最中に理想通りにいかない間取り案に悶々としていたとしてもまだ挽回のチャンスはありますが、全てが出来上がった暮らしの中では万事急須です。
でも、意外と多くこのパターンが起きてしまうテーマをご存知ですか?
答えは外観デザインです。
何となく間取りとデザインを区別して捉えてはいませんか?
でも両者は表裏一体。
別な言い方をしますと外観デザインは間取りの構成であらかた決まってしまうのです。
それもそのはず、平面的に描写された間取り図を立体的に表したものが立面図であり外観デザインなのですから。
ところが間取り打ち合わせの段階でこれについての議論や確認がおざなりになってしまうケースは珍しく有りません。
そもそも外観を確認する為の立面図提案すら準備されていなかったり…
新築完成後にその姿を見て「カッコわるすぎ」と絶句しても時すでに遅しです。
冒頭にご紹介した外観デザインはおしゃれ感をあえて個性的なアーバンスタイルにまとめてみましたが、この辺りは皆さん個々に気に入る気に入らないの好みがあるはず。
だからこそ間取りの検討段階で試してみたいのです。
まとめ
今回は新築注文住宅で家づくりをするなら楽しみかつ重要な間取りづくりでみられる
「気に入らない」「しっくりこない」
といった悩みの原因と対策を設計士が間取り提案を行う一連の場面から取り上げてみました。
「何度打ち合わせしても決まらない」
と悩んでいる皆さん。
反対に、予算が心配で間取りへの関心が十分に向かっていない皆さん。
納得のマイホーム完成を目指して
ご参考にしてみては如何でしょうか?