⚪︎ 家を買うのに相応しい年齢は?
⚪︎ 不安やプレッシャーの中、決断のコツは?
⚪︎ タイミングを逃すとこんな問題が
⚪︎ 貯金なしでもOK? それとも貯めてから?
⚪︎ 住宅ローンと家を買う年齢の関係
多くの人にとって、家を買う決定は人生最大級の決断のひとつに数えられるはずです。
それでは住宅購入を真剣に考え始めた皆さん!
決断のタイミングのイメージは出来ていますか?
知識もなく焦って決断し、失敗なんてしたくない、
反対にモタモタしてると年齢的にもタイミングを逃し後々後悔しそう‥‥
将来的には、いずれ家を買う決断をすべきタイミングを迎えそうな気もするが、
貯金なしの現状や、住宅ローン返済への不安やプレッシャーでついつい先延ばし‥‥
家を買う決断のタイミングって、結構悩ましいテーマですよね。
ハッキリしているのは不安解消と、失敗回避に偶然任せはマズいという事。
冷静に注意点を目配りしながら、最適なタイミングを見定めるべきなのは言うまでもありません。
✓ それではそれっていつ?何歳の時?
今回はそんな家を買うタイミングと決断する際の注意点を深掘りしてみようと思います。
今回は結構ボリュームたっぷりなので、お忙しい方は「ブックマーク」登録での読み返しをオススメいたします。
目次
家を買うタイミングを思い付きで決断すると
1.家を買う事を思いつくタイミングは?
基本的には誰もが家を買う買わないにかかわらず、賃貸住まい始め何らかの住環境は備わっているはずです。
その中で家を買う必要性は、どんなきっかけで意識し始めるのでしょうか?
例えば次の様な思いが頭をよぎったタイミングなどは‥‥
✓ 子供が何歳になったら子供部屋を欲しがるだろう?
✓ 住宅ローン返済を考えると自分が何歳までに始めるべき?
✓ 自分と同じ年齢で家を買う人が増えてきて焦る
それそれ!と納得するものが有りましたか。
でも、問題はそこから先。
何故なら家を買う事を意識し始める事イコール、行動ではありません。
意識するだけでは無く、充分な検討作業の後にはじめて「家を買う」決断のタイミングは訪れます。
しかしながら「決断」までの道のりは、不安やプレッシャー、焦りが交錯するもの。
注意しないと時にそうした感覚は、判断を決して合理的でない方向へ向かわせてしまいます。決断できないパターンと決断を焦ってしまうパターンです。
2.不安やプレッシャーで決断できないパターン
家を買う事に関心が向いたものの、具体的な一歩が踏み出せない、もしくは検討作業が進んだものの最後の決断が出来ず一向に距離が縮まらないと言う方はいませんか?
家を買う事への明確な阻害要因が有る訳ではないのにです。
住宅ローン返済への不安や、間違った判断への不安、重くのしかかるプレッシャーがその背後にあるのかもしれません。
希望通りの土地も見つかり、間取りもまずまず、予算にも見合っている。
でも‥‥‥
✓ もっと良い案があるかもしれない
✓ 年齢的にもまだ早いんじゃないか?
このタイミングで決断する事への迷いが判断を鈍らせます。
そもそも決断の迷い以前に、不安やプレッシャーが腰を重くさせることもあるでしょう。
いずれにしても具体的な検討作業の入口付近で止まっていては、最良のタイミングを図るチャンスすら訪れない事は明らかです。
この様に、家を買う事へのプレッシャーが最終的な決断や、具体的アクションの動きを鈍らせる遠因となるパターンは、実は割とよく見かける光景。
でもそのまま手をこまねき時間を浪費しても、事態が好転しない事だけは確かなようです。
3.早く買わなきゃと焦って決断パターン
決断できない状況が問題なのであれば、速やかに結論が出せればOKなのでしょうか?
当然そうとは言い切れません。
先程とは反対に、早く買わなきゃとの焦りから、中途半端な状態での決断が招く失敗は誰もが想像が着くと思います。
それではこんなケースはどうでしょう?
例えば家を買う為の土地探しからマイホーム計画が始まる場面をイメージしてください。
加えて、子供の年齢と家を買うタイミング次第では転校を余儀なくされる場合もありますが、これを避けたいという思いが強いご家庭の話。
親心からそのような考えに頷く方は多いはずです。
それならば子供の入学年齢までに家を買うタイミングを合わせれば、住まいと学区は確定できます。
そんな中、リミットギリギリで良さげな土地情報を発見。
でも、予算はオーバー気味‥‥。
どうしましょう?
これだという土地情報を発見したなら、他の購入希望者との競争です。
決断のタイミングが遅れ、契約締結を他の希望者に先を越されたならば、その物件を諦めるしかありません。
でも「この物件は逃したく無い」、こんな焦りやプレッシャーの状態で、果たしてどこまで冷静にいられるでしょうか?
焦りは失敗のもととわかってはいながらも、前のめりに焦って決断を下してしまう。
当然このパターンも合理的でない事は言うまでも有りません。
家を買うタイミングを左右するテーマ
家を買う決断ができない、慌てる、どちらも良くないのならば、いったいどの様なタイミングに乗せていけば良いのでしょうか?
住宅コンサルタントとして私がこれに答えるならば、ロジカルにタイミングを図る流れの試みです。
反対に前の項で挙げた2つの失敗パターンは決断のコアな部分を感情、感覚が占めているとも考えられます。
ロジカルにタイミングを図るとは、直感的ひとつの物事で判断を左右されるのでは無く、家を買う為の決断に関連しそうな複数のテーマを並べ考察する流れです。
家を買う事に関心が向くきっかけとなったテーマのみに縛られるのでは無く、家を買うタイミングを左右する他のテーマにも視野を広げ検証した上での決断です。
何だか難しく聞こえるかもしれませんが、そんな事はありません。
家を買うにあたり、そのタイミングを左右するテーマを挙げてみると、決して特殊事情ばかりでは無い事に気付くはずです。
寧ろ、家を買う方々の多くに共通したものが、いくつも見当たることでしょう
それならば、まずはこれら共通のテーマを、自分の事情に当てはめて検証してみるのです。
とは言え、一つ一つをランダムに取り上げては収拾がつきません。
例えば次の様にジャンル毎に分類しスポットを当ててみては如何でしょうか。
2.家を買う為の資金的テーマ
3.手続きに伴うタイミング
4.漠然とした不安やプレッシャー
それではこれら各テーマを詳しくみていきましょう。
1.家族の状態によるタイミング
家を買う事を意識しはじめたきっかけが「家族」という方は多いはずです。
「自分自身や子供が何歳までに」
「職場環境の状況」
こうした家族の年齢や状況に合わせ、最適のタイミングでマイホームを実現したいと言う動機です。
特に次に取り上げる3つはその代表格といえるでしょう。
①子供が何歳までのタイミング?
子供の成長と家を買うタイミングのリンクを真っ先にイメージする方は多いはずです。
マイホームでのスクスクとした成長や、子供部屋を持たせてあげたいと言う子供への愛情が、その根底にあるからです。
ではそのタイミングとは、子供が何歳になった時が最適なのでしょうか?
本来であればズバッと「何歳!」と言う結論と理由を示したい所ですが、年齢だけではひとくくりにはできません。
よく「子供の誕生」「小学校入学」といった節目の年齢が意識されますが、それらは各家庭の事情や養育の考え方に因るものであり、「家を買う」というテーマのみで図るべき類のものではないからです。
それではこのテーマにベストタイミングは無いのかというとそうではありません。
但しそれは一元的な「何歳」という部分ではなく、スケジューリングと間の取り方にあります。
例えば「子供の誕生を機に」もしくは「何歳までに」家を買う目標を定めたとします。
目標に合わせ準備期間を想定し、検討の動きも当然これに合わせる事でしょう。
「子供が今何歳だから、何月までに土地を決めて、それから…」
描くビジョンはこんなイメージです。
しかしながら、いざ動いてみると
✓ 間取りがまとまらない
✓ 土地は見つけたが予算に合わない
思う様なペースで進まないとしたらどうなるでしょう?
前項で挙げた例は正にこのパターンです。
子供の年齢的に小学校の学区確定にはリミットがある。
なんとしても後々転校はさせたくない。
余裕を失ったスケジュールの中、目標としたタイミングが迫る焦りは、妥協を余儀なくされたり、判断ミスの誘発にもつながりかねません。
土地探しをしたからといって、即座に理想の物件が出現する保証はどこにもありません。
理想通りに進まない現実は、極々当たり前に直面する、「想定外」というよりは「想定すべき」現象。
だからこそ時間が貴重なのです。
必要性に駆られるタイミングが遅かったり、プレッシャーから逃れようと腰が上がらなかったり、理由はさておき家を買う為の準備期間に余裕がなければ、こうしたリスクは常につきまといます。
それではどうすれば良いか?
おわかりの通り大切なのは初動のタイミングです。
多くの方々が結婚、子供の誕生、そして成長というビジョンを理想と思い描いているのではないでしょうか。
それならば、節目になるタイミングが迫ってから動くのでは無く、真っさらな今のタイミングに、家を買う事の是非を予め夫婦で話し合ってみるのです。
それは誕生前でも、誕生後でも、何歳であろうと成長過程のどのタイミングでも構いません。
必要に駆られて認識してからでは無く、先手を打った整理判断です。
そうした機会を早く持つ事で、時期の選択肢が広がると共に、時間的なゆとりも生まれるのではないでしょうか。
②自分自身の年齢とのタイミング
家を買うタイミングで気になるのは子供の要件だけではありません。
自分自身の年齢を考えた時に、果たして何歳までに家を買うべきかも気になるテーマです。
これは将来的な生活設計は勿論、周囲の近い年齢層の友人同僚の中で家を買い始める人たちが目立ち始めた焦りもこれを意識する要因といえるかもしれません。
まず周囲の人々が家を買い始め、置いてけぼり状態のプレッシャーですが、その事自体に左右されるべきではありません。
その為に今回冷静な決断のタイミングを模索しているのですから。
それでは感覚的ではない具体的な自分自身の年齢と家を買うタイミングを左右する要素とはどのようなものが考えられるか?
まず検討すべき課題を年齢の属性から二つに分類してみたいと思います。
⚫︎ 年齢が確定していない課題
「何歳まで」といったように、ハッキリと特定の年齢が明確か否かが分ける基準です。
まず、年齢が確定している課題は、職場の社宅や住宅補助の年齢上限がこれの典型例と言えるでしょう。
補助の対象や社宅の入居期限に何歳までと規定があれば、家計環境がその前後で変化する可能性がある。
それならば、そのタイミングに合わせて家を買う事を決断しようという流れです。
これは、先程の子供の入学タイミングと同様「何歳」という期限は明確ですね。
しかしながら、それを知りつつも「まだ先」と中々腰が上がらなかったり、そもそもそれら規定の把握が不十分である等して始動が遅れ、結果的に最後は慌てるという姿はよく目にする所です。
本来であれば期限が明白なのですから、余裕を持って検討作業に臨めるはずなのですが、残念ながら折角の時間のアドバンテージを活かせないパターンです。
これを機に社内規定を調べるなど準備を始め、余裕を持った始動を心がけてみてはいかがでしょうか?
一方、年齢が確定していない課題の具体例は、何といっても住宅ローンとの関連が挙げられます。
住宅ローンの開始時期はシニア世代を除けば基本的には何歳であっても問題はありません。
しかし、開始時の年齢は良いのですが果たして何歳までその返済を続けましょう?
自分自身が何歳で家を買うかの問題は、住宅ローン開始のタイミングだけでは無く、それにより何歳までに払い終えるか、何年で返済するかの議論でもあります。
当然将来の生活設計を左右する重要なテーマです。
これについては細部の注意点を更に深掘りしたいので次の項で詳しく取り上げます。
③勤務先の状況によるタイミング
「マイホームは欲しいけどなかなか‥‥」
その理由として勤務先の状況との関連が気になる事があります。
「仕事が忙しくて家を買うどころじゃない」
「同僚が家を買った直後に転勤になった」
勤務先の状況が落ち着かない現状をネガティブ要素として、家を買うタイミングの難しさを訴えるパターンです。
確かに目前に転勤が決まっているのならば、そのタイミングで家を買うには躊躇するのは当然です。
また、特別な仕事上のプロジェクトでそれどころではないケースもあるでしょう。
但し、こうした話によく耳を傾けてみると、必ずしも顕在化した「ネガティブ」が存在しているのでは無く、「タラレバ」の仮定に対する不安が、決断を鈍らせているケースが見受けられます。
ここは冷静に、
✓ 住宅購入後転勤があった場合の対処は?
✓ もし家を買うタイミングを定年後にした時の影響
お仕事の関連は家族を養う上でも重要なテーマです。
只々決断を躊躇するのでは無く、具体的な想定をたててみたいところです。
2.家を買う為の資金的テーマ
家は人生最大の買い物とも例えられます。
住宅購入資金の検討は重要である事は誰もが認識するところ。
それゆえに多くの人々の頭を悩ませるテーマと言えるでしょう。
時に不安を、時にプレッシャーを感じながらも最良の答えを見つけ出さねばなりません。
そして実施するタイミングによって、その答えは全く違うものとなってしまう事もあるから大変です。
具体的には「住宅ローン」と「頭金」二つの観点から家を買うタイミングの影響をまとめてみます。
①住宅ローンと家を買うタイミング
家を買う為の資金全てをキャッシュで準備可能な方は極々少数となれば、住宅ローンの利用は必須です。
ここで大いに頭を悩ませるのが「返済額」と「借入額」の関係ではないでしょうか?
返済額を低く抑えられれば不安は少ないが、借入額すなわち予算も控えめな額になってしまう。
結果として予算不足から希望通りの計画案が完成しない。
反対に希望を満たせば借入額は膨らみ、返済額が理想から離れてしまう。
「返済額」と「借入額」の理想は常にトレードオフの関係です。
但し、これを表面的に解決するファクターがあるのです。
「返済期間」です。
これを少しでも長く設定すれば、同じ借入額でも割り算の分母が大きくなり、毎月分の返済額を低く抑える事が可能です。
多くの金融機関で、住宅ローン返済期間最長35年としているものが従来の主流でしたが、昨今は40年、50年という返済期間対応の住宅ローン商品も登場しています。
それなら最長の返済期間を設定すれば、毎月の返済不安の問題は解決???
そうはいかないのです!
何故なら皆さん自身の年齢は今何歳でしょうか?
その年齢に返済期間を加えてみて下さい。
現在の年齢が30歳であれば、35年返済の場合返済が終了するのは65歳です。
一方で年金の給付開始年齢は何歳でしょうか?
通常65歳、更に定年退職年齢も同年齢と仮定します。
つまり、住宅ローン返済を開始のタイミングが30歳を超えた場合、その年齢分返済期間を短縮しなければ完済時期が老後にオーバーランしてしまいます。
これでは老後への負荷の先送りに過ぎません。
つまり「家を買う」=「住宅ローンを開始するタイミング」が遅れる分、返済期間は短くなる為、同じ借入額の場合に毎月の返済額は増えてしまうのです。
前項のテーマ「自分自身が何歳のタイミング」が妥当かを決断する上でとても重要なポイントと言えるでしょう。
②頭金と家を買うタイミング(貯金なしはダメ?)
頭金の準備と家を買うタイミングの関連付けをイメージする方も多いのではないでしょうか?
✓ 頭金が多い方が借入額を抑えられる
確かに高価である家を買うのに貯金なしで大丈夫?という不安や、少しでも頭金が多く準備すれば住宅ローン返済のプレッシャーが和らぐような気分は理解できます。
また家を買う年齢が遅れてもその分貯金を頑張り頭金が増えるならばそれも良さそうです。
でも、感覚的判断は止めましょうが今回のお約束!
客観的に貯金なしや頭金準備の効果を考えてみましょう。
まずこのテーマを考えるには起点を設けねばなりません。
ここでは家を買う事を真剣に意識したタイミングを起点として考えましょう。
家を買う事を考え始め、時期の問題、お金の問題について検討を始めたその時です。
まずその時点の預貯金を算定します。
そして、家を買う頭金としての投入可能額と預金のまま温存額を振り分けます。
この段階で貯金なしというケースもあるでしょう。
そこで「不安だからムリ」ではなく、その状態でも取引が成り立つかを調べます。
この取引とは金融機関の融資基準と住宅会社、不動産会社の契約金条件ですが、取引相手によって条件は一定ではありません。
結論だけ申しますと全くの預金なしではかなり難しいのですが、ある程度の蓄えが準備可能であれば取引が成り立つ公算は期待できます。
但し、住宅ローンの適用金利は頭金の準備額によって差がつく事もあるので、注意が必要です。
ここまでが第一段階。
次に第二段階。
起点としたタイミング以後貯蓄をすれば、その額を頭金に加算する事が可能ですね。
貯金なしでは不安だった方や、頭金増加分だけ借入額が抑えられプレッシャーが少し和らぐ事から、こうした方策を思いつく事もあるでしょう。
確かに少々時間は掛かっても、それで不安解消やプレッシャーが和らぐ効果があるのなら、検討してみる価値はありそうです。
それでは、モデルを使って第二段階の頭金増額効果を検証してみます。
まずは現時点での資金設定です。
年齢 | 借入金額 | 返済期間 | 金利 |
30歳 | 4000万円 | 35年 | 1.5% |
毎月返済額は122.473円です。
この設定であれば65歳までに住宅ローンを払い終える事が出来ますね。
次は頭金増額案の条件設定です。
ここから5年間、家を買う為の貯金を決断します。
毎月の貯金額は本来なら住宅ローンの返済に充てるはずだった12万2千円と行きたい所ですが、この間毎月の家賃も払い続けます。
それでもがんばって毎月8万円を頭金の為せっせと蓄えたと仮定しましょう。
その額5年間で480万円。
貯金なしのスタートは勿論、頭金準備ありの場合もこの増額分は心強いはずです。
それでは5年後の資金設定を比較してみましょう。
借入金額は5年前の4000万円から頭金加算分480万円をマイナスした3520万円とします。
但し5年経過し年齢も35歳になりましたので、65歳完済するには返済期間30年とします。
さて、それがこちら。
年齢 | 借入金額 | 返済期間 | 金利 |
35歳 | 3520万円 | 30年 | 1.5% |
毎月返済額は121.482円です。
アレレレレ!
5年間も頑張ったのに殆ど返済額が下がっていません。
しかも金利は据え置いたままの状態でです。
という事は5年の間に住宅ローンの金利が上がった場合には、寧ろ逆転してしまうかも。
もし貯金が満たなかった場合も同様です。
住宅ローンの項で触れた通り、家を買う年齢によって最適な住宅ローンの返済期間は決まります。
ここが重要なポイントです。
そこを押さえると預貯金の増額に要する期間、得る効果は、期待と真逆の答えが出てくる事もあるのです。
一度皆さんなりの現年齢のタイミングと貯蓄計画後の状態を試算し比較してみてはいかがでしょうか。
3.手続きに伴うタイミング
家族の状態や資金的要素と家を買う決断の関係は、比較的長いスパンの中からベストなタイミングを見つけ出すテーマでした。
そこをクリアすれば検討作業はより具体化したテーマに移ります。
それに伴い実務的内容が加わりますが、タイトな動きを求められるものが目立ち始めます。
何らかの期日やいわゆる早い者勝ち的状況で迫られる決断です。
不動産取引や住宅会社が催す特別価格キャンペーンへの手続きがこれに該当します。
まず、多くの家を買う場面で、セットで登場する不動産取引。
土地や建売住宅は1区1区が現物限りです。
したがって自分より先に他の購入希望者が契約締結してしまえば、その物件を断念せざるを得ません。
そして、そのタイミングは常に結果がすべて。
今日かもしれないし、来月かもしれない。
勿論その物件に迷いがなければ速やかに決断して先手を打ち、手続きを進めれば良いのですが、迷いがあるうちはそうもいきません。
プレッシャーの中、正に決断のタイミングが非常に難しい手続きです。
また、期日内の手続きを要するものとして住宅会社の特別価格キャンペーンがあります。
今月中、来月中と期限を打ちそこ迄に契約締結できれば価格やサービスの特典が受けられるという仕立てです。
魅力は感じるものの果たして本当にこれで良いのか?
期限と納得のタイミングのはざまで悩む姿はよく目にする光景です。
家族の状況や資金的な観点で家を買うタイミングを図る事は、理性的な検討から客観的な結論らしきものが見えてきますが、このテーマに絶対的な正解はありません。
✓ 今回の特別価格を逃しても、その先更に良い特典があるかもしれない。
この答えは決断時点では全く未知数。
いわば賭けみたいなものです。
そもそも、家を買う判断にギャンブル要素は似つかわしくありません。
堅実な策を考える必要があるでしょう。
まず不動産契約を決断するタイミングですが、未来は見通せなくとも、過去の履歴をたどる事は可能です。
検討先の営業マンに該当しそうな付近の取引履歴をお願いしてみましょう。
それを手掛かりに取引の履歴が乏しければ希少な1区との見方ができるでしょうし、活発な取引が見られるならば必ずしもその1区に縛られず次への期待の余地も残ります。
次に特別価格ですが、これはある程度探るべく術があります。
こうした催しは期限ギリギリのタイミングで示される事はないでしょう。
ひと月ないしふた月といった猶予の中で案内があるはずです。
そこで案内を受けた早めのタイミングで営業マンに、
「とても期限内に決めれないので、他の会社を検討した方がいいかも」
という趣旨の考えを伝えます。
彼らもみすみす有望なお客様を逃したくありません。
何らかの譲歩がこの段階で示される様であれば、単なる値引きの口実程度のなのかもしれません。
それなら何もプレッシャーを感じる必要は薄いという判断も下せるでしょう。
反対に、「残念ですが…」という反応であればプレミアム度の高い催しなのかもしれません。
それならばそのタイミングでの決断を真剣に考えてみるのも良いでしょう。
4.漠然とした不安やプレッシャー
ここまで挙げてきた決断のタイミングを左右するテーマは論点が明確でした。
「何歳まで」「いつまで」「いくらくらい」
とった具合にです。
これとは反対に必ずしも論点がハッキリとしない、家を買う事への漠然とした不安やプレッシャーが決断を阻むケースもあるようです。
「何かあったら不安だから決められない」
こんな話がそれにあたります。
不安の対象が漠然としていますが、存在感はあるのです。
だからこそ、そのままでは前に進むことにためらいがあるという事です。
それではどうすればいいのか?
「何となく」で放置したまま無理に結論を導こうとしても不安はどこかで再燃します。
このタイミングでしっかりと決着をつけましょう。
まずは不安の正体を突き止めることが先決です。
「何かあったら不安の、何かとは何?」
こうした問いに、断片的にこんな答えが返ってくるものです。
「もし〇〇になったら…」
「△△とは限らないし…」
といった具合です。
要するに多くのタラレバがあるのなら、これらをひとつひとつ検証してみるのです。
少々面倒な作業ですが諦めずに取り組んでみましょう。
単独での解決が難しければ、ファイナンシャルプランナーや住宅コンサルタントの助けを受けた方が確実かもしれません。
家を買う決断で迷った時のコツ
ここまで様々な家を買うタイミングを左右するテーマを挙げてきました。
手掛かりが少し見えてきましたか?
最後に押さえておきたいのが、判断に迷った時の整理のコツの話。
というのも、直感的なひとつの物事で判断を左右されず、家を買う為の複数のテーマに視野を広げようという事で話を進めてきました。
そうなると、いずれかのタイミングでそれらの取捨選択が必要ですね。
その際、何を優先すべきか迷った時の対処法を考えておこうと言う話です。
家を買う決断に限らず、複数の異なる課題を同時に処理し結論を出そうとするが、上手に二者択一出来ず、頭が同じところをループするような経験は誰もが覚えがあるのでは?
ましてや家を買う様なプレッシャーの掛かる大きな決断なら尚更です。
そんな場面を振り返るとある共通項が。
それは全く違う性質のテーマ同士を同列に戦わせ、決着が付かない状態です。
例えばこんな感じ、
B.間取りは納得してないが今月限りの値引き条件で契約すべきか悩む
似た様な経験談を持つ方もいるのではないでしょうか?
構図的には二つの課題をワンセットで頭をひねり、中々整理がつかない状態といえます。
なぜこの状態だと解決に向かわないのか?
答えは「土地の評価」と「返済額の妥当性」は直接的には別個の問題だからです。
「間取りの評価」と「契約条件の魅力」もそれは同様ですね。
そこで解決策!
次の様な視点を加えてこれを分析してみるとどうでしょう。
決断の「緊急性」と「重要性」です。
Aはその土地を逃したくはない、つまり緊急性のある状態。
一方で、住宅ローン返済に確信がもてない、すなわち将来的危機の可能性がある。
更には好条件の土地を逃しても次なる物件で挽回の可能性は残っている。
土地を手に入れても住宅ローン返済が破綻すれば挽回は容易ではない。
つまり住宅ローン返済の課題解決の重要性は土地契約に勝ります。
当然解決の優先順位もそれに従うべきでしょう。
Bも同様に考えていくならば好条件の価格、サービスを得たとしても、完成したマイホームに不満が残るリスクは排除できません。
つまり、優先すべきは間取りの納得であり、それを得たタイミングではじめて決断の要件が整うのです。
緊急性の高い課題と重要性の高い課題が同時発生すると、ついつい緊急性の高い課題につられ焦りやプレッシャーから合理的思考が働かなくなる。
これが違う性質のテーマ同士を同列に戦わせ決着が付かず、決断を阻害するのです。
この状態は判断の誤りの恐れだけではなく、悩むあまり無為に時間が経過し決断のタイミングを逸する失敗にもつながります。
一呼吸おき、頭の中でこんがらがっている迷いのひとつずつをほぐしてみてはいかがでしょうか。
偶然任せではなくベストタイミングを!
皆さんのマイホーム実現への道筋が見えてきましたか?
どうやら腰を上げるタイミング次第で決断を下す環境や結果が左右される事もあるようです。
それなら偶然任せでなくベストタイミングを確実に捉えたいですよね。
冒頭にも例えた通り、家を買うと言う事は人生最大級の決断ですから。
特に家を買うタイミングと年齢のマッチングは重要なポイント。
タイミングを逃し後々気付いても、時間も年齢もリセットは出来ません。
反対に早い時期にこれを考える機会が得られたならば、その分将来に向かい選択の幅が広がるということ。
この機会に皆さん自身の家を買うベストタイミングを探してみては如何でしょうか。
住宅購入コンサルタント、パートナーズライフプランニングは、今回取り上げた様なマイホーム計画で多くの皆さんが抱える悩みの解決をサポートし、間違いのない決断を導く環境づくりをサポートを致します。
ひとりで悩まずに専門家のサポート得ながら素敵なマイホームを実現いたしませんか。