住宅ローン返済は住宅購入の際、多くの方が頭を悩ませる共通のテーマ。
なにせ住宅ローンはマイカーローン等と比較しても、その返済期間は長期間に渡ります。
将来的に返済が重く負担になる事は無いか?とかく不安ごとが脳裏に浮かぶものです。
ましてや何千万円という単位の債務は、多くにお方にとって住宅ローンが初めての経験なはず。
心配しすぎだと言われても不安にかられるのも無理もありません。
「もし返済出来なかったら・・・」
「将来返済中に何か予期せぬ事が起こったら・・」
「この返済額で生活が苦しくならないだろうか・・」
「住宅ローンで失敗した人の話を耳にした」
ひとりで悩み考えれば考えるほどに、不安解消どころか心配ごとが増幅してはいませんか?
でもいくら住宅ローンが不安だからと言って、只々心配するだけでは肝心の土地探しや間取りづくり、ハウスメーカー選びに進む事すらできません。
「自分って心配しすぎかな?」
「皆んな住宅ローンで家を買っているしなんとかなる?」
そんな言葉で心を落ち着けようとしても不安なものは不安ですし、なんとかなるものでもありません。
そんな時こそ、冷静に住宅ローン返済の不安解消策を試みたいですね。
今回は、そんな住宅ローンの不安を解消する手順についてのお話です。
目次
ひとくちに住宅ローンが不安と言っても
住宅購入のコンサルティングを承る私へのご相談でも、当然のことながら住宅ローンの話題は大きなテーマとして持ち上がり、冒頭に挙げた様な不安が吐露される事は珍しくありません。
このコラムをお読み頂いているあなたは如何でしょうか?
でも、ちょっと冷静に考えてみましょう。
色々な住宅ローン返済に関する心配事が並べられたとして、その不安の根本はどこにあるのでしょうか?
頭をよぎるその不安が単なる心配しすぎが原因なら気持ち次第でなんとかなるかもしれませんが、現実的に起こり得る心配事なのであれば、それは住宅ローン借入れ前に確実に不安解消しておかねばなりません。
かと言って不安の正体が分からないままでは解決の手立てが打てず、不安は解消されることはありません。
ただただ「大丈夫だろうか?」「失敗したらどうしよう・・」と気をわずらっているよりも、
ひとつづつ不安なこと、心配なことを整理してみると宜しいのではないでしょうか。
住宅ローンに対する不安ごとといえば、やはり返済に関する事柄が最も大きな課題となるでしょう。
確かに家計の中にこれまでは含まれていなかったまとまった額の支出が出現するのですから、ある意味で未知の領域です。
しかもその新たな支出は長期間にわたって家計の一角を占め続けます。
では、不安の核心である
「住宅ローンの返済が出来なくなる状態」もしくは
「ギリギリでのやり繰りに追い込まれる状態」
とはいかなる要因が考えられるのでしょうか?
ここの整理が重要です。
住宅ローン返済開始早期の不安解消
まずは住宅ローン返済開始早々から負担に耐えられないのではないかという不安。
マイホームを購入し住宅ローンの返済が始まったものの、そもそも他の家計支出とのやり繰りがバランスしなければ、その後の生活に悪影響となるのは当然です。
住宅ローン返済を心配する方々の話を伺うと、その不安はこれに属する訴えであるものが多い様に思えます。
しかしながら、これの不安解消策は難しいものではありません。
何故なら既に顕在化している家計の状態から考察する事が可能だからです。
そもそもの住宅ローン借入計画案に無理が生じていないのかをチェックするには、現在の家計収支を過去に遡って決算してみるのが良策です。
これまでの家計状況から毎月のお給料収入に対し(勿論ボーナスも含め)、家賃支出と毎月繰越せている額(預貯金)の合計が、今後負担する住宅ローン返済額を下回る、もしくは拮抗している様であればこれは不安材料という事になりますね。
これらの作業を経ればこうした不安は本来根深いものには至らないはずです。
しかしながら、この不安を訴える方が多いというのは何故でしょうか?
理由は寧ろ先に挙げた計算手順というよりも、マイホーム購入の検討手順自体に不安の根源があるケースが多い様に見受けられます。
その検討手順を要因とした住宅ローン返済への不安とは次の様なプロセスを指します。
皆さんの中でマイホーム計画をWebでの土地探しや住宅会社探しから始めている方はいないでしょうか?
こうした住宅ローン始めとした充分な資金計画を経ないまま、物件探しの検討作業を進めた場合に起こりがちなのがここでとりあげた現象です。
何故かというと物件探しが先行した場合、一定以上希望を適えた物件に出会い購入費用も示された状態の後に、資金計画が追随する形となります。
その場合、営業マンから示されたそれら費用と住宅ローンの返済計画を目の当たりにし、
「すごく気に入った物件だけど、この返済額で大丈夫?」
物件を手に入れたい気持ちと住宅ローン返済の不安が対峙し冷静な判断をする環境が侵されます。
「心配しすぎ? でも、やっぱり不安‥‥」
「なんとかなる? でも、もし返済出来なかったら‥‥」
こうした不安定な状況が不安解消の妨げになっているのではないでしょうか?
この場合は、めぼしい物件を発見していたとしても、もう一度前述したような手順で予算案を再考した方が賢明である事は間違いありません。
「その間に土地が売れてしまったら‥‥」
不安を残したままで計画を進めても、結果どこかのタイミングでこの不安は解消しなければなりません。
ならば、先送りにする不利益の方が大きいのではないでしょうか。
その上で収支範囲内に収まる事が確認され、目当ての物件が尚検討可能な状態あれば、不安解消された安心感を背景に前向きに購入手順を踏むのが堅実な方法であるはずです。
住宅ローン返済額に対する将来的家計支出増加の不安
前項で挙げた様な住宅ローン返済への心配事は、冷静な検証をする事で不安解消を図るにはそう難しいテーマではありませんでしたが、その心配の対象が見通しがたてられる範囲を超え、もっと先の将来的なものであった場合はどうでしょう?
具体的には現在見込んでいなかった家計支出が将来増加した場合に、収支が成り立たないのではないかとの懸念です。
これは大きく「基本生活費増加」「将来に向けた資金準備」2つの要因に分類できます。
①基本的生活費増加の可能性
例えばお子様の誕生や成長に伴う支出増加などがこれにあたります。
住宅ローン開始時点よりも将来的に家計支出が増加する事で返済計画に支障を及ぼしはしないかという心配です。
これは支出面のみにスポットを当てても不安は解消されません。
支出増加の可能性と共に収入面の変動も押さえておく必要があるでしょう。
給与上昇の可能性とその率の見込みです。
通常勤務先ごとに給与体系には偏差が有り、一様に語る事は出来ないテーマでもあります。
会社、先輩上司社員への調べを通じて把握する必要があり、収支両面での推移を整理すべきでしょう。
②将来へ向けた資金準備への分配
家計の内訳としては現状の生活に必要とする資金(食費・光熱費・通信費・娯楽費・住居費など)の他に将来的に備えておくべき資金の準備への割り当てを考えておかねばなりません。
お子様の大学就学時の教育資金やリタイヤ後の老後資金の資産形成、万が一の事態や医療支出発生時の家計安定を図るリスクマネージメント策としての保険料の負担といったものがこれにあたります。
これらは現状の生活に直結する訳では無い費用なので、住宅購入の資金計画計算時に見落とされがちです。
そうした状況で、住宅ローン返済額設定時これらへの配分が充分では無いままに返済計画が開始されれば、後々その必要性を認識した折には新たな課題に直面します。
それらの対策を施そうとすれば家計の圧迫要因に、実施を見送れば住宅ローン問題とは別の形で人生設計に課題を残す事になるからです。
これらは「なんとかなるだろう」「なんとなく不安だ」といったいわゆる「気持ちの問題」というものでは無く、将来現実的に起こり得る不安材料として注視し、対策を講じるべき項目ではないでしょうか。
それらの準備を住宅ローン返済開始に先立って備えておく事がこの不安払拭の解決の道と言えるでしょう。
いわゆるライフプランニングの実施がカギとなるはずです。
先々何か起きた時の返済が心配
ここまで挙げてきた不安の根源は、突き詰めれば何処かにその要因を探しあてる事が出来ました。
でも存在自体が不確かなものが不安の要因となる場合もあるのです。
これへの不安感は、よく「 先々何か起きたら心配」という言葉で発せられます。
ここで挙げられる不安材料というものは「具体的何か」というよりは「人生何があるか分からない」から不安だという漠然とした姿形が見えないもの、いわゆる「リスク」への懸念と置き換える事ができるでしょう。
こうしたリスクが要因となって住宅ローンの返済に悪影響を及ぼすのではないかという不安なのですが、リスクへの向き合い方というものは非常に厄介なはずです。
何しろ「いつ」「何が」「どの様に」「どんな影響で」
それに遭遇するのか分からないのですから。
そうなるとどうしてもその対処は感覚任せになってしまうものです。
「やっぱりマイホームは見合わせようか…」
「心配しすぎ。なんとかなる!」
そうなれば慎重、前向き、いずれであろうとこんな決着を付けがちではないでしょうか。
しかしながら、この不安を「そんな不安はマイホーム計画に付き物、なんとかなる」と目をつぶってしまったり、「やっぱり怖いから」と計画実行を避け先送りしていても事態は何も好転いたしません。
漠然とした状態で放置するのでは無くその不安の正体の検証を試み、必要に応じ解決策を講じるべきでしょう。
住宅ローン返済計画に影響を及ぼす可能性のあるリスクをひとつひとつピックアップし、個々の起きる可能性、程度を可能な限り定量化するのです。
そうして浮き彫りになったものに対して、前項で確認したライフプランの課題と同様に対処します。
例えるならば就業に関する不安といったものもこれに含まれるのかもしれません。
長期で療養を余儀無くされ、収入が危ぶまれた場合の住宅ローン返済への対応です。
これもその様な出来事が起こるであろう可能性の度合いと、発生時のリスクをカバーするものとして公的保険制度の仕組みを知る事が定量化を図る事に繋がるでしょう。
但し、少々専門知識を必要とするテーマではありますので、専門のファイナンシャルプランナー等の助けを受けた方が確実性は増してくるでしょう。
因みに私の住宅購入コンサルティングにおいては、こうしたリスクと住宅ローン返済の関わりといったテーマについてもしっかりと解決のお手伝いをいたします。
以上、住宅ローン返済への不安解消に向けた手順を、その不安の根源が一体何なのかを分類する事から整理を試みるお話をいたしました。
せっかくのマイホーム計画です。
ただただ不安を抱えながら家づくりに取り組むのでは楽しく有りませんし、心配だけしても健全性は増しません。
課題を的確に発見、確実に対処して満足のゆく家づくりを実現したいですね。
パートナーズライフプランニングの「マイホーム購入サポート」コンサルティングは皆様の家づくりを住宅資金計画から土地探し、間取りづくり、ハウスメーカー選びと、トータルでサポートいたします。
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