家づくりに住宅資金の対策はつきもの。皆さんは誰を相談窓口にしていますか?

ところでこの住宅資金の相談でハウスメーカー等の営業マンから住宅ローンの借入れ額は年収の何倍以内だから良いとか悪いとかのお話しをされた事はございませんか?

パートナーズライフプランニングのマイホーム購入サポートコンサルティングでもお客様からこれに関するご相談をされる事があります。よくよくお聞きするとそれまでに住宅営業マンから住宅資金の説明で聞いたというのですが、実はこのモノサシはライフプランの観点上余りにもドンブリ勘定。

他県はよく解りませんが仙台では住宅資金話でこの住宅ローン借入れ年収何倍モノサシがよく登場します。

今回は住宅資金について住宅ローン借入額は年収の何倍という測り方が妥当な計測方法かをライフプランの観点からお話しいたします。

 

まず「住宅ローン借入額が年収の何倍」というお話をご存じない方の為にご説明します。

例えば年収500万の方が住宅ローンを4000万借入れしたとします。この場合借入れ金額は年収の8倍、年収400万であれば10倍、年収800万なら5倍となり、この年収額と住宅ローン借入額の比率をもって、家づくりにおける住宅資金計画上住宅ローン借入額が妥当な金額になっているかどうかを測ろうというものです。

例えば自己資金300万+住宅ローン借入れ額4000万、総額4300万の計画案があるとします。この時買主の年収500万だとして「年収の8倍に納まっているから無理の無い住宅資金案です!」等とこの資金計画から算出される予算案を勧める根拠として用いられる訳です。

ハウスメーカーや不動産会社の営業マンだけではなく銀行やファイナンシャルプランナー(FP)の相談窓口でもこの手のやり取りが見られるのですが、冒頭にお話しした通りこの計算方法は余りにどんぶり勘定。

次はその辺りをご説明しましょう。

まずこの年収の何倍のお話、そもそもいったい何倍だったら住宅ローン借入額が適正水準なのか扱う人により数値がバラバラです。5倍が妥当と言う人もいれば10倍までならと言う人もあり不明確。

まあ話としては5倍で納まっていれば安心コースだし10倍以内ならやっていける範囲等という使い分けをしているというところでしょうか。

既にあやふや感が有りますが、もっと大事なのはこの先です。

まず、住宅資金を検討する際、住宅ローンをきちんと返済出来る範囲が借入妥当額という事になりますよね。

返せる見込みの無い借入れなどというものは有り得ませんから。

その際返済見込みのチェックポイントとして次の2点に注意を払うべきではないでしょうか。

まず第一に住宅ローン返済額が収入に見合っているかの判断です。

この検討は年収と住宅ローン返済額の割合を計算するのが返済負担感の判断材料としては直接的で把握し易いでしょう。

年収500万の方が年間125万を返済すれば25%の年収比という具合です。

返済額の原資は所得になるわけですから所得額に対し返済額をどのくらいの割合にするかという計算は住宅資金計画の中で一番基本になる計算式として押さえておかねばなりません。

 

次に住宅ローンの返済期間です。

住宅ローンは長く家計設計に影響してきます。当然何年で返済するかの検討が必要で有り、同じ借入金額でも返済期間の設定により返済額は変わってきます。

住宅資金を考える上でライフプランとの整合性が重要だという事は他の記事でもお伝えしました。住宅購入で妥当な住宅ローン返済期間の定め方はライフプランにその答えがあるという事です。

でも実態は皆さんが相談窓口としている多くのハウスメーカーが借入れ者の年齢を問わず35年の返済期間を勧めているというのが現状です。

こうなりますと当人が30歳の方であれば35年返済でも65歳の定年退職年齢で完済できますが、例えば35歳の方は完済年齢70歳ですので65歳時点で住宅ローン残債がまだ5年分残っている事になります。

この疑問に対しハウスメーカー、住宅会社営業マンからは主に2種類の抗弁がよくアナウスされます。

  1. 退職金で住宅ローン残債に充当すれば良い
  2. 住宅ローン返済と同時進行で預貯金し繰上げ返済すれば良い

といったものです。

但しこの対処法はライフプランの観点から

  1. 将来的公的年金制度が不透明な現状から退職金は老後資金の重要財源である。
  2. もし貯蓄額不十分だった場合はどうするか。そもそも当初から65歳完済の方が合理的。

といった点で不合理なものとなります。この辺りの詳細は4月のコラム記事詳しく解説致しましたので併せてご覧下さい。

この結論から住宅ローンの返済期間は定年退職をする65歳完済できる期間で設定するべきだという事が第二点目のポイントです。

以上二点から住宅ローン借入額の評価手段として借入額が年収の何倍かというモノサシが適正か検証します。

例をあげた方がわかり易いのでA、Bの2つのケースで見てみます。

  1. 30歳 年収500万 住宅ローン借入額3500万
  2. 35歳 年収500万 住宅ローン借入額3500万

つまり両者「年齢」以外の条件は一緒、年収に対する住宅ローン借入額はどちらも7倍です。

もし年収に対する借入額の倍数が借入額物差しとして妥当なのであればA、Bどちらも差異は無く、7倍が妥当な範囲と仮定すれば両者等しく共に問題無い資金計画という事になりましょう。

しかし、実際に住宅資金計画上問題になるのは返済額です。又それを算出する為には前述の通り一律35年返済は相応しく無く、定年退職までの残年数で返済期間を決めなければなりません。

そうしますと返済期間はA35年、B30年となりますのでこの条件でそれぞれ計算してみましょう。

*金利は固定金利、変動金利の選択をこの場では据え置き両者金利1%で計算します

  1. 毎月返済額: 98,799 年間返済額:118.5万 年間返済額/年収23.7%
  2. 毎月返済額:112,573 年間返済額:135.0万 年間返済額/年収27.0%

A、B両者の収支比較からBの方が返済額、所得に対する住宅ローン負担額の割合が大きくなっている事がわかります。要するにAの家庭よりBの家庭の方が住宅ローン以外の他の生活支出に向けられる金銭余力が乏しく返済の負担感が大きいという事です。

住宅資金計画の健全性とは住宅ローン返済後の生活余力、また他のライフプラン課題との整合性という点にあるという事からすれば、借入額の年収倍数は両者同じでも生活の余裕度合いに差が生じている事実からはモノサシのあり方として奇異です。

つまりはこのモノサシで住宅購入計画の健全性を測るのは相応しく無く、住宅資金の解説でよく登場する住宅ローン借入額と年収の倍数話ではありますが、これを基に住宅購入の諸々の判断材料としてしまっては、住宅ローンはじめ住宅資金の根拠として不正確でありそこから先のライフプラン全体に不安を残してしまう事となりましょう。

 

以上ご理解頂けましたか。皆さんの住宅購入計画を安心して進めて頂くためにも年収借入額倍数というラフな計算ではなく

① 所得と家計設計全体のバランスが取れた返済額を設定

② ライフプランに適した返済期間の設定

この前提からにいくら借りれるかという手順で住宅ローンの借入額を算出し安心できる住宅資金計画を立てて頂く事をお勧めいたします。

また、マイホーム計画の中で相談しているハウスメーカーや不動産会社の営業マンが年収倍数を根拠に住宅資金の話を進めていくような事があれば要注意。

でもこの記事をお読み頂いた皆さんは心配ないですね。信頼性の点でむしろハウスメーカー 選びの材料になるかもしれません。

パートナーズライフプランニングではライフプランを踏まえた住宅資金のご相談は勿論、土地探し、間取りづくりハウスメーカー選びまで皆さんのマイホーム計画をトータルサポートするワンストップの相談窓口です。

大切な家づくり、お悩みにならずお気軽にご相談下さい。