新築住宅間取り図の読み取り講座第3回目です。

住宅購入の検討過程でどの様な間取りにしようかと思案する作業はマイホームの夢が現実味を帯びてきた頃の事。

様々な希望が頭をめぐり家づくりを家族みんなで楽しみたい時期でも有るけれど、楽しさの反面なんかしっくりこなかったり、良さげなんだけど本当にこれで大丈夫?と、目の前の我が家になるかも知れない間取りの評価が頭を悩ませる種にもなったりします。

これは新築注文住宅でも新築建売住宅でも同様です。

ハウスメーカーや工務店に相談しても何分にも相手は売手ですから「いいプランでしょう」と自画自賛で終わってしまいそうです。

前回、前々回と間取り図を読解する必要性と、その手順として間取りの表面スペックだけでは無く生活シーンをシミュレーションし検証すべき点、またその手法として家具レイアウトを間取り図に載せた上での観察をお勧めいたしました。

初めてご覧になる方は詳しくは前のコラム記事を是非ご覧下さい。

さて、当初大差のない様に見えた下記図1の2つの間取りから検討がスタートしました。

(図1)

ただ明確な違いが確認できない中での比較はイメージ先行になってしまいがち。

という事で、図2の様に家具レイアウトを配置した上で両者を見比べてみると、それまで見えてこなかった2つの間取りのお家における生活シーンは、期待と効果の間でかなりの相違がある事が浮き彫りになりました。

建物の面積やお部屋が何畳か、また対面キッチン等設備品の有無だけでは間取りを適正に評価するには情報が少なすぎるという点がご理解頂けたのではないでしょうか。

家具レイアウトはインテリアだけに関するテーマではないという事が確認できましたね。

(図2)

一手間かけた甲斐あって、プランBの方が一戸建ての新築のお家で理想の暮らしが実現できそうだぞ、という答えがまずは見えてきました。

ヤッターこれで安心だ、こうやれば良いんだと胸をなでおろした皆様、でもまだ忘れてはならない重要な観察ポイントがもう1つあるのですよ。

上の図1・図2をご覧いただいて何かお気付きになる事は有りませんか?

ジーっとご覧下さい。

そうです。 敷地図が描かれておりませんね。

敷地上に建物間取りが反映されていませんと、そもそもあとどの位敷地に対し建物配置に余裕があるのかも確認が出来ません。

◇ 庭先の空間はどの位? →  お部屋への陽当たりや眺望の具合

◇ 駐車スペースはどこに? →  駐車台数は勿論、車両出入りの使い勝手

◇ 隣地とのとりあい   →  お互いの建物どの位接近するのかな

といった事柄が把握できません。

その結果、よくよく確認したら車2台の駐車スペースとの説明が、実は両方小型車でもギッチリだとか、庭先空間も殆ど取れずお部屋への陽当たりが不充分等という状態だったらどうしましょう。

せっかくの一戸建てが、新築のお家が残念な結果となってしまいます。

もし、その様な状態だったと気付けばその時点で間取りは再検討が必要になり、無駄な作業どころか根本から家づくりの計画が狂ってしまうという事。

場合によっては住宅ローンの算段始め資金計画からやり直し、住宅購入計画は大きく遠回りになってしまいます。

そんな事は避けたいもの。配置計画の検討作業、絶対不可欠ですのでプランAとプランBの間取り図読解作業に加えましょう。

さてこれまで見てきた間取りではどの様になるでしょうか? 下の図3でご確認下さい。

(図3)

いかがですか。元々同じ建築面積の両プランですので敷地に対しての両案の占有度はさほど変わらない様に見えますね。

庭先の空間、隣地とのとりあいもほぼ同じ様な空間です。

ところが・・・・、 駐車スペースをご覧下さい。

お分かりになりますか?

この家の建て主ご夫婦はお互いそれぞれのマイカーで通勤している設定でした。

その要件で両プランを観察すると・・・。

プランAは、車の出入りの際、後ろの車の出庫に車両入れ替えが必要な事に気付きます。

休日のみの乗車ならともかく、朝の忙しい出勤時間にご夫婦どちらが先に出発するかでの車両入れ替えは大変です。

なにせ毎日のことですから・・・。 ストレスになりそうです。

また、スペースも窮屈な様で、2台ピッタリくっつけても出入りがいっぱいいっぱい。1台は軽自動車でさえちょっとキツそうです。

これに対しプランBはどうでしょう。

2台それぞれ独自に出入り可能で、スペースにも余裕がありそうです。

勿論プランAで車2台を道路に対し縦突込みで並べる方法も考えられますが、建物を庭の方に前進移動が必要。これではお庭が無くなってしまい、お家に陽も差しません。

いかがですか。 建物の配置確認って大事なのがお分かりいただけましたか?

なにせ毎日のことですから・・・。陽当たり等住環境や敷地の使い勝手は重要ですよね。

家具レイアウト不記載やとりあえず程度な配置で提示を受けた業者作成の間取り図をコンサルの際よく目にするというお話を前回いたしましたが、建物配置図の不備もこれまた多く見られます。

注文住宅、建売住宅を問わずどちらにおいてもですね。

業者が重要性を認識していないという事でしょうか。

担当者に頼まないと出てこないというハウスメーカーや工務店、不動産会社では技量的にも対応力としてもガッカリですね。不安だけが残り先が思いやられてしまいます。

その仕事ぶりでハウスメーカー選びの判断材料にするのもひとつでしょう。

また、土地探しの場面でも建物配置確認は重要です。

その土地が陽当たりは充分か、駐車スペースはどの位か、どの位の面積の建物が建築可能かが判れば本当にその土地を選んで良いかが判断し易くなるはずです。反対にこれが無いと果たして充分な広さの土地なのかもよく分かりかねます。

土地探しの検討段階で準備し目を通しておきたいアイテムですね。

さて、ここまでご自身の家づくり気分でご覧頂いてきましたがいかがでしたか?

最初は似た様な一戸建ての新築住宅の間取りに見えたプランAとプランBでしたが、今現在の印象は当初と大分違ったものに写っているのではないでしょうか。

プランAの間取りがダメという事ではなく今回の様なご希望をお持ちの方、この土地での建築の場合にはプランBの方がどうやら合ってそうだと言うのが今回の答えの様ですね。

間取り図を読み取る際の着目ポイント、次は皆さんの家づくりで是非お試しください。

だいぶ理想のマイホーム計画に近付いてきました。

でも、私、コンサルタントとしてはせっかくのマイホーム計画を、願いどおり素敵でおしゃれでかっこいい家づくりに実現する為に最後にもう一つだけお伝えしておきたいポイントがあるんです。

間取り思案からインテリアコーディネートへのつながり、ここまで行ければバッチリです。

続きは次回のコラムでアドバイスいたします。