絶対におさえたい新築住宅間取りはここを見ろ!② その間取り何が違うの?

前回に引き続き、住宅購入で皆様が迷わず素敵でおしゃれな家づくりを実現できます様、新築住宅間取り図の読み取り講座の2回目です。

前回のおさらいをしますとマイホーム計画を進める中でハウスメーカーや工務店への相談後に受けた提案、もしくは不動産情報ネット検索等でなんとなく良さげな新築住宅の間取りを発見した後、それがベストな案か否かを判断するのに表面的な部屋・建物の面積や設備の有無・形状だけでは的確な判断はできないかもしれないぞ。 という問いが浮上しました。

前回記事絶対におさえたい新築住宅間取りはここを見ろ!① その間取りでOK?

今回はその懸念の正体が具体的に何を指すのかご一緒に検証してみましょう。

 

⬜︎   シミュレーションで見てみよう  

仮の家づくり場面を題材にご説明して参ります。皆さんご自身に置き換えてお考え下さい。

まず、皆さんは下の間取り例(図1)の提案を受ける事となりました。

その上で、下にまとめた間取りの希望を持っている状態だというイメージで2つのプランを見比べてみて下さい。

但し、お話を広げすぎるとまとまり無くなりますので一階間取りにのみ限定し、意向も少々簡素化し絞って例示してみます。

施主のライフスタイルやコンセプトはこんな感じです。

■  予算からいって建坪は〇〇坪

■  その場合リビングは△△畳位の広さはほしい

■  でも本当は広々としたお部屋が好き、夫婦共に窮屈なのはイヤだな

■  奥様はせっかくの新居で時々お友達とティーパーティーやホームパーティーを開きたい

■ それにはやっぱり対面キッチン希望、お料理中に子供と今日の出来事を会話したいし

■ お料理も大好き、その為の調理アイテムやおしゃれな食器もバッチリそろえちゃうつもり

■  ご主人様は新築を機に大画面テレビを購入し休日はゆったりソファで映画鑑賞が夢

■  車は2台、2人で通勤に使うので

(図1)

因みにプランAもプランBも建坪・リビング畳数・部屋数・収納面積はほぼ同じ、対面キッチンで、当然建築土地も同じ、車も2台駐車可能です。

このご家族のライフスタイルにはプランAとプランBどちらが快適に暮らせそうに思えますか?

え、なんですって?

「どっでもいいんじゃないの。たいして変わらない間取りだし」

さあ、もう一回ご覧になって! 大事な家づくりですから。

「後は建物金額しだいじゃないかしら」

全く同じ内容ならそれも1つの考え方ですが、両者本当に変わらないですか?

「プランAの方がなんとなくおしゃれっぽい感じ。良くわからないけど、なんとなく」

「プランBはシンプルに見えて良さげ。 印象に過ぎないけど」

表面上間取りスペックに大差が無さそうな家でご希望との擦り合わせをするのって結構難しくありませんか?

良く解らない中での判断となるとどうしても漠然としたイメージが先行してしまうのが人の常。ややもすると本来考えるべきポイントから逸れてしまいかねません。

さて、どうしましょう・・・。


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⬜︎   家具レイアウトで見えてくる!   

ここでコンサルタントである私の出番です。助け舟を出しましょう。

同じプランに家具レイアウトを加えてみて下さい。

下の間取り図(図2)の様に。

(図2)

まだ同じに見えますか?

それでは解説いたします! 図内の①②③に沿ってご案内していきます。

 

①キッチン収納スペース

奥様はお料理好きでしたね。ご希望の対面キッチンは両プラン満たしてるようです。

但し、調理用アイテムや食器もバッチリそろえたいとなると、加えてそれらの収納場所も考えなければなりません。

プランAとプランBを比べてみてください。

プランBの方がワイドサイズなカップボード、もしくはパントリーが設置できそうです。

実寸法で1.5倍もの差が出てまいります。この点でプランBの方が勝りそうですね。

 

②ダイニングセット

奥様の理想は新築のお家でお友達を招いてのティーパーティー。

親しいご友人達を新居に招いて楽しいおしゃべり。

時にはお互いお料理お披露目のクッキングパーティーも・・・。

但しそれには普段のご家族4人用のテーブルではお招きするご友人の数も限りがあります。少し余裕のある6人掛けでも対応できるくらいの一回り大きなダイニングテーブルが家具屋さんで目に止まるかもしれません。

そうした場合両プランのダイニングスペースを比較しますといかがでしょうか。

プランAは4人掛けサイズのダイニングテーブルでも既にスペースに余裕がありません。

プランBの方は6人掛けサイズでも明らかにゆとりがありご希望がかなえそうですね。

これもプランBの方が理想的という事でしょう。

 

③リビングソファ・テレビボード

ご主人様のご希望も忘れてはいけません。 休日に大好きな映画鑑賞でしたね。

ゆったりとしたソファにゴロンとなって大画面のテレビで迫力ある映像を楽しむ。

アパートの狭いお部屋では叶わなかった理想です。

さて、ご主人様の理想に近い間取りはどちらでしょうか?

リビングの家具配置は、まずテレビを設置できる場所を特定しなければなりません。

なぜならテレビは通常お部屋の中心や窓前には置きません。壁に沿った設置となるとそれに相応しい場所 = 相応しい壁を探さなければなりません。

大型テレビを設置しようとすればそれに見合った壁量が必要です。

その壁に無理なく正対出来る場所。これがソファの理想的設置場所という事になります。

プランAをご覧下さいテレビボードが置けそうな壁はここ位ですね。それでも空間にゆとりは余り無さそう。ボードサイズも注意が必要な気配です。

またソファの位置も正対させるにはぎこちない位置になりますし、何よりテレビ画面との距離が充分に確保できません。

大画面のテレビを楽しむ環境としてはアパートと大差無い空間となってしまいそうです。

これに対しプランBはテレビボードを納める壁寸法に余裕がありますし、テレビとソファもプランAよりゆとりを持って自然に正対出来ています。

また、B案のソファでくつろいだ状態での視野はお部屋全体が視界に入り、この点においてもプランBの方がお部屋が感覚的に広々と感じるはずです。

 

①②③LDK全体のまとまり

AB間取りにおける個々のゾーンを比較してまいりましたがLDKワンルームで設計する場合、相互ゾーンの繋がりも重要です。

例えば、奥様は調理中にお子様との会話でコミュニケーションを取れるようなキッチンを希望しておりましたがプランBはそれが自然に期待できそうですが、プランAはせっかくの対面キッチンとソファの向きが正反対です。背を向けちゃってますね。

ちょっとイメージしていた通りのシーンとはいかなくなってしまいそうです。

また、ホームパーティーでたくさんのご友人やご友人一家を招き、皆さん集まってのホームパーティーを楽しむ事も期待されてましたね。

プランBはまずはゆとりのあるダイニングセット、スペースが足りなければリビングソファゾーンへ、それでも足りなければ隣の予備室へとパーティーの規模に応じて自由に展開可能です。またその場合も各ゾーンは一体化してまとまっており参加者皆さん互いのコンタクトが寸断されることはありません。

これに対しプランAはそれぞれのゾーンが小さく分断されてしまい互いのコミュニケーションが取りづらそうですね。

⬜︎   提案間取り図をチェック   

いかがでしたか?

表面的要件が同じで、見た目にも同じ様な構成に見える間取りでも分析の仕方1つで暮らしにおける長所短所が浮き彫りになってきました。

同じ様に見えた一戸建て新築住宅なのに暮らしの快適性が随分違ってきそうです。

今回の分析ポイントは間取りそのものだけでは無く家具レイアウトを加えて検証するという手法。家具は何もインテリアだけに関わるテーマでは無い事が分かりましたね。

これにより潜在的だった違いを発見する事が出来ましたが、これは何も特殊な作業では有りません。家づくりの間取り立案において当たり前に盛り込みたい手順なのです。

実際にハウスメーカー、工務店、注文住宅、建売住宅を問わず一戸建ての新築住宅を検討

するにあたりお手元の間取り図をよくご覧になって下さい。

◆  設計図面上に合理的な形で家具レイアウトが作図されてますか?

またそのレイアウトからどの様な生活シーンが想像できますか?

表面スペックからは読み取れない間取りの深層情報が見えてくれば幸いです。

但し、業者からの提供図面が家具記載無しや、いかにも間に合わせで取り合えず載せてはおきましたという程度の図面は私もご相談を受ける中で頻繁に目にします。

これではプロの仕事レベルとしてはチョット・・・・。

ただ、住宅業者の仕事ぶりを観察できるという点ではハウスメーカー選び、工務店選びの良い見極め材料にはなりますけれども・・。

 

冒頭「どっちも同じでしょう」と思われた方々。

目からウロコで「なるほど!」とお気付きいただけたらコンサルタント冥利に尽きます。

でも間取り図読み取り術はこれで終わりではありません。

住宅購入の際、是非とも加えて押さえておきたいチェックポイントがまだ有るんです。

この続きは次回のコラム記事といたしましょう。

絶対におさえたい新築住宅間取りはここを見ろ!③ 間取りと配置のバランス

是非ご覧下さい。

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この記事の監修<br>パートナーズライフプランニング<br>代表 栗山 琢磨

この記事の監修
パートナーズライフプランニング
代表 栗山 琢磨

仙台で生まれ育ち、大手ハウスメーカー・外資系生命保険会社勤務を通じて得た住宅・不動産・ライフプランの豊富な実務経験と専門資格のスキルをベースに2011年起業。

住宅コンサルタント・家計設計コンサルタントとして相談対応域は住宅ローン・土地探し・間取りづくり・ハウスメーカー選びといった住宅購入相談から学資や老後の資金準備・生命保険相談と皆様のライフプラン全域をカバー。

各テーマの仕組み・課題を解り易く解説。

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・1級ファイナンシャルプランニング技能士
・トータルライフコンサルタント(生命保険協会認定FP)
・宅地建物取引士
・インテリアコーディネーター

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この記事の監修<br>パートナーズライフプランニング<br>代表 栗山 琢磨

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代表 栗山 琢磨

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