⚪︎ お庭ライフを楽しめる間取りを希望
⚪︎ 土地が狭ければ庭も狭いのはしょうがない?
⚪︎ 土地45坪に2台駐車可能な間取りは難しい?
⚪︎ 土地を上手につかう間取りのアイデアは?
一戸建を新築したならば新しい素敵な暮らし方を試してみたいですよね。
新築一戸建ならではの暮らし方のひとつとしてお庭ライフの楽しみがあるのではないでしょうか。
注文住宅で新築するならお庭のある家を素敵に使いこなせる間取りを考えてみたい!
そんな希望を持って家づくりに取り組む方もいることでしょう。
お庭でバーベキュー、ガーデンブランチ、ガーデニングとお庭のある家ならではのイベントは新築のマイホーム完成を心待ちにさせます。
一方で、昨今の売地はコンパクト化が目立ちます。
「購入した土地はさほど広く無いし、いくら間取りを工夫しても狭い庭すら無理かも」
実用的庭のある家での素敵な暮らしをあきらめてしまっている方もいるのではないでしょうか?
たしかに土地が狭ければ物理的に狭い庭になるのはやむを得ずと感じるのは無理もありません。
希望に近い条件の土地情報を見つけたものの、苦労しながらようやく発見したその土地が手狭な面積であったとしたらどうでしょう。
なんとか希望する間数の間取りは入りそうだし駐車スペースも2台分確保出来るなら、庭のある家の暮らしまではしょうがないとあきらめモードになってはいませんか?
でも、せっかくの新築一戸建てでのマイホーム計画なのですから狭くても使いでのあるお庭は是非盛り込みたいですよね。
今回は狭い庭でも素敵に楽しくつかいこなせる間取りの工夫のおはなしです。
狭い土地が間取りや庭に及ぼす影響
この記事をお読みの中にも一戸建てを新築する為に、まずは土地購入からという方は多いはずです。
その際、昨今土地の価格上昇とあいまり、年々売地の土地面積が狭くなる傾向が見て取れます。
土地の単価が高くなった分、面積を狭く帳尻を合わせ販売価格を抑えようという目論見。
同じようなロジックで売地の面積を狭くすれば単価を上げても表面的な販売価格は変わりません。
それどころか1区画あたりの土地面積を狭くする事で売り手は大きな利幅を期待できます。
いずれにしてもかつてよりコンパクトな売地が目立つようになったのは事実のようです。
私の事業拠点である仙台近郊でも、平成中期頃までは60坪から70坪台が中心となっていた土地面積が、近年では40坪から50坪台の売地がボリュームゾーンです。
概ね10坪程度土地面積が狭くなった勘定です。
「どうりで間取りが上手くつくれないはずだ!」
「こんな土地では狭い庭しでもしょうがない」
とうなずく方もいるでしょう。
では、新築用地が10坪狭くなることで、間取りづくりはどのくらい制約が生じるのでしょうか?
例えば新築一戸建ての間取りでボリュームゾーンともいえる30坪台半ばの床面積であった場合には?
感覚的な話ではなく数字を基に土地の広さが新築計画に及ぼす影響を検証してみましょう。
【間取り】土地45坪の使い方
まずは前述した新築用地10坪の差とはどのくらいの広さなのか?
ひとくちに10坪と言われてもピンとこないのではないでしょうか。
わかりやすいのは単純に新築間取りと土地面積の関係です。
10坪といえば建物の間取りに置き換えると20畳の床面積に匹敵するわけですから影響は少なくありません。
一般的な新築一戸建ての間取りでみられるLDKの広さが16畳から20畳くらいですですから、スッポリLDK分の広さ分の土地面積がコンパクトになったということです。
もう少し詳細に分析してみます。
仮に36坪(約120平米)の建物を、土地面積45坪(約150平米)に新築した場合で検証してみましょう。
まず、この土地に占有する必要のある要素を並べてみます。
- 建物
- 駐車スペース
- 道路から玄関へのアプローチ
- 建物、隣地境界間の空きスペース
- 庭
概ねこうした各要素にスペース配分しなければなりませんね。
下の図は45坪の土地に総二階建て36坪の建物(つまり1階は18坪)間取りを目安とする為に機械的にのせたものです。
この場合の各占有スペースはおおよそ以下の通りとなります。
- 建物・・・・・・・・・・・・ 18坪
- 駐車スペース・・・・・・・・ 11坪
- 道路〜玄関へのアプローチ・・ 4坪
- 建物、隣地境界の空きスペース 8坪
- 庭・・・・・・・・・・・・・ 4坪
勿論各部の占有スペースのバランスは、同じ45坪の土地でも地形や建物間取りによって変わります。
したがってあくまでも目安に過ぎませんが、この例の場合
庭への配分可能スペースは4坪程度
という事になりそうです。
4坪と言えば建物間取りに換算すると8畳の広さです。
8畳分でも確保できればたとえ狭い庭であっても上々と考えるかもしれません。
しかしながらそう簡単にいかない課題も読み取れます。
✓ とってつけた様な位置の庭をうまく活用できるか?
これはあくまでもこの間取り例での話です。
でもこれらを解決しようとすると更に庭は狭くなってしまうかもしれません。
また庭を意識し過ぎ肝心の間取りそのものに影響が及んでもいけません。
どうやら限りある広さの土地を機能的に活用するには、更に知恵を巡らす必要がありそうです。
ハイブリッドな土地利用で庭を確保
確保できる庭の物理的スペースには限りがあります。
でも・・・
その条件の中で土地の利用効率と庭としての機能を高めたいのです。
中々難しい問題です。
なんとかして新築一戸建ての大きなメリットの一つである庭の活用を試みたい・・・
その解決策のひとつが
「ハイブリッド」というキーワード!
電気モーターとガソリンエンジンを混合し効率的に使い分けるハイブリッド車のそれです。
そのハイブリッドの考え方を間取りづくりに採用しようという試み。
つまり、ある機能と他の機能、両面の役割を併用するゾーンを間取り企画に盛り込む事で利用効率の向上を目論みます。
今回、具体的な例として上げてみたいのが
「庭」と「玄関アプローチ」の連結です。
庭を庭としてだけ、アプローチを単なる道路と玄関繋ぐ通路としてだけの機能を持たせるのではなく、両者の働きを共存し連結した空間として活用するのです。
下の間取り図でその考え方をご紹介しましょう。
一般的に皆さんがよく目にする新築一戸建ての間取りは庭、玄関前ポーチ、道路とポーチを繋ぐアプローチと3つのゾーンがそれぞれ別個に設けられているのではないでしょうか。
そうなると各ゾーンが個別に機能的役割を果たすには相応の面積が必要となります。
それならば・・・
3つの機能を1つのゾーンに集約してしまうのです。
これがハイブリッドな土地利用の考え方!
各ゾーンが狭く制限ある状態ではなく、一団で機能を共有し合います。
こうして新たな間取り企画立案の可能性が広がるのなら素敵ですよね!
この間取り例をその様な視点で眺めて下さい。
玄関、リビング、和室に隣接したゾーンがそれにあたります。
決して広々とした空間ではありませんが、1階各居室に隣接したタイル貼りのデッキとしているので、色々と素敵なお庭ライフのアイデアが試してみれそうです。
⚫︎タイルデッキにガーデンセットでオープンエアのアウトドアブランチ!
⚫︎室内ではニオイや油ハネが気になる鉄板焼きもここなら勿論OK
⚫︎床がタイルなので小さなお子様のプール遊びにも最適
⚫︎リビング内のサブ玄関から庭への直接出入りは気軽で便利
⚫︎和室の土間空間との一連活用でアウトドアグッズのメンテナンスの場所にも
⚫︎デッキと駐車スペース間の目隠しグリーンで道路からのプライバシーも配慮
⚫︎リビング横の不意な来客通過を防ぐ為、アプローチ入口付近には門扉設置
如何でしょうこんな庭空間は?
各ゾーンを狭く分散するよりも配置と機能を集約しする事で、新築一戸建てならではの素敵な暮らしが実現しそうではありませんか。
【素敵な間取り】庭が狭いと諦める前に
今回の間取り案はお庭活用法の一例に過ぎませんが、これに限らずすべての間取りづくりにおいてこれは外せないという鉄則があります。
他のコラム記事でも幾度か取り上げてますが、
土地と建物をセットで企画立案する事!
これにつきます。
私への住宅購入のご相談の際、相談以前にお客様が話を進めていたハウスメーカーからの提示間取り図を見せて頂くケースがあります。
・土地の記載なく建物のみの間取り
・敷地配置程度の記載で駐車スペースも庭も割愛された描写
こうした間取り提案は珍しくありません。
手抜き間取り図というにとどまらず、恐らくプランナー自身の土地状況への希薄な関心が想像されます。
こうした作業手順では気の利いた間取り案は中々誕生しません。
勿論素敵なお庭の使い方も・・・
土地と建物は不可分な存在なのですから。
せっかく新築注文住宅でのマイホームを実現するのなら、誰もが素敵な住まいを目指したいはずです。
それには建物は建物、庭は庭ではなく一体での企画が不可欠と言えるでしょう。
「狭い庭はやむを得ない・・・」
諦めるのはまだ早いかもしれません!
あなたの検討中の間取りも、更に工夫の余地があるかもしれませんね。