マイホーム計画を新築注文住宅で建てたい!
でも、土地購入はこれからという時、家づくりを何から始めますか?
「良い土地が見つからなければ先に進まないから勿論土地選びから!」
こんな考えの人もいるはず。
でも、土地選びから始める家づくりは、気をつけないと失敗を招いてしまう大事な注意点がある事をご存知ですか?
失敗を招く注意点とは何か?
土地選びの前に済ましておくべき検討作業があるという事です。
それは土地選びに際して必要な「判断」の精度を左右するテーマです。
いくらネットで見つけた土地情報が「ピピッときた!」からといって、直感だけで決め自ら失敗を招く事は誰もが避けるでしょう。
判断に必要ないくつかの注意すべき検討課題をクリアして初めて決断に至るはずです。
反面、不動産物件は基本的に現物一個限りの販売です。
という事は、先に購入の意思表示と手続きを済ませた人がその物件購入の優先権を得ます。
誤った判断が失敗を招くならばジックリと検討したいが、早く手を挙げた方が入手の確実性が増す‥
これが土地選びの難しさであり、検討手順において注意すべき点でもあるのです。
それでは失敗を避ける為、土地選びの前に済ましておくべき検討作業とは一体何なのか?
今回はこのテーマについてお話し致します。
目次
◻︎ 土地購入の流れを整理しよう
今の時代、物を購入するにあたって、ネット検索での情報収集は日常的な消費行動です。
土地選びについても当然例外ではありません。
何しろ、休日、職場の昼休み、通勤途中を問わず、Webの土地探索サイトを使えば、いつでも土地選び作業に取り掛かる事が出来るのですから気軽です。
「まずは土地選びをして、気に入った情報が見つかったら具体的作業に進めば良いんじゃない」
という考えは、この情報収集作業の容易さも相まり一理ある様にも聞こえてきます。
しかし・・・
この流れは「土地選びのプロセス」と「土地購入の手続き」に噛み合いの悪さを露呈する事があります。
そのロジックを説明する為に、一旦土地購入の流れについて確認しておきましょう。
● 土地選びから土地購入手続きまで
まず、良い土地を見つける事と、その土地に決める事はイコールではありません。
土地発見から決定に至るまでの間には「検討」と「判断」が介在します。
この流れを時系列で並べてみますと、
①有望な土地情報の発見
②この土地を購入するか否かの検討と判断
③土地売買契約締結、手付金の支払い
④残代金の支払い、所有権移転
要約するとこの様な流れとなります。
①のように有望な土地が見つかったならば、確実に自らがその土地購入の優先権を持ちたいところです。
しかし、取引のルールとしては前述の通り③の売買契約を先に終えた者がその優先権を得ます。
この点からいえば、極力早期に②の検討作業を終え、速やかに売買契約にこぎ着けたい所ですがここは注意しなければなりません。
③から④の所有権移転までの間は契約の解除権は売主買主双方にあり、契約以後判断の誤りに気付いた場合、契約の解除で失敗をリカバリーする機会は得られるのですが、それには所定の違約金を払わねばならず、通常③で支払った手付金を放棄する事となるからです。
勿論、④の主有権移転後に失敗に気付いたとしても、この時点では撤回の機会すら得られない事は言うまでもありません。
● 土地選び前にやるべき事
以上の事から、土地取引に関する注意点は次の様にまとめられます。
・良い土地を見つけたら早い者勝ち
・不十分な検討で売買契約締結後失敗に気付けば違約金が発生する
・反面、検討作業に時間を掛ければ購入の機会を失う恐れがある
つまり、「土地選びのプロセス」はじっくりとやりたいが「土地購入の手続き」は速やかに進めたいという相反する要素が土地選びから土地購入の流れには同居しているのです。
焦って決めてしまえば失敗しかねないし、慎重に進めれば先に売れてしまう‥‥
土地選びの難しさと失敗談の多くがこの部分に起因しているとも言えます。
どうすればいいのか困ってしまいますね。
やはり対策を考えて土地購入に臨むべきでしょう。
この有効な策として冒頭に掲げた「土地選びの前に済ましておくべき検討作業」がキーポイントになってくるのです。
◻︎ 土地選びの失敗を避ける為の3っの注意点
土地選びの前に済ましておくべき検討作業が何故キーポイントになるのか?
その理由を要約すると次の様になります。
・有望な土地情報発見から決断の期間は短い程、入手の確実性が増す
・しかし、検討作業が疎かならば失敗の危険が増し、撤回は負担が生じる
・それならば、土地発見前に検討可能な作業を終えれば検討効率が上がる
家づくりのプロセスを土地選びから始めるとい事は、他の検討作業の着手はその事後になります。
更に言うならば土地発見後です。
先の整理で土地発見後に必要な検討作業をこなすには時間の制約があり、端折れば失敗につながるというジレンマが生じました。
しかしながら、全ての検討作業は有望な土地情報発見後でなければ実施できないでしょうか?
そんな事はありません。個別の土地情報に関わらず作業できる検討課題があるはずです。
それならば、土地選びに着手する前に予め可能な検討課題が整理されていれば、土地発見後に掛ける検討期間はグッと短縮できますね。
これが狙いです。
それでは土地選び前にやるべき検討課題とは何か?
土地選びの失敗を回避するには次の3つの検討作業に注意を払う事をお勧めします。
・資金計画
・住宅会社の選定
・土地条件の設定
ここからはこの3っの注意点について解説していきます。
● 資金計画の注意点
マイホーム購入に充てる予算は誰しも限りがあるはずです。
その上限値が果たしてどのくらいかを知るには、適切な資金計画の検討が欠かせません。
一般的にマイホーム購入資金の予算内訳は自己資金と住宅ローン借入れ額から成ります。
これらの検討には次の様な観点での整理が必要です。
|自己資金の捻出額|
- 親族からの援助の有無、ある場合の金額
- 預金額のマイホーム購入資金と手元資金への配分
|住宅ローン借入れ額|
- 所得等からみた借入れ可能額
- 返済可能額
- 金利タイプや返済期間の選択
これらを整理する事で自己資金の捻出額、住宅ローンの借入れ額が想定され、精度の高い予算案がはじめて出来上がります。
もしも、こうした資金計画を好物件発見後に実施すると土地選びはどの様な展開となるでしょうか?
こうした場合、注目するのは「物件エリア」「立地環境」「交通アクセス」「通学環境」「土地面積」「地形」「周辺施設」といった要素に関心が集まるでしょう。
これは一般に土地選びをする方々の大勢と皆さん自身の考えに大きな相違はないと思われますが如何でしょうか?
そうした場合、個々の物件に対する大方の評価ポイントも概ね一致してくるものです。
「駅から近くて良いな!」「日当たりが良さそう」「学校も近いし!」
こんな土地情報は多くの方の目にとまりやすく、
「なんだか変な形の土地」「これって崖地じゃない」「学校が遠すぎ」
こうした情報は素通りされる傾向にあります。
問題はここからです。
実は「良さそう!!」と目を引いた土地情報を発見した所から2つの注意点が浮上してくるのです。
第一に好物件は足が早い点です。
足が早いとは、土地情報が市場に登場から短期で成約に至りやすいと言う意味合いです。
誰もが好評価を与える物件は、それだけライバルも多い事に他なりません。
「良い土地が見つかったからお金の計算を始めるか」
等と構えている内に、他の購入希望者に先手を打たれてしまえばそれまでという事。
これは前の項でお話しした注意すべき失敗パターンですね。
第二に好物件程予算と乖離しやすい点です。
皆さんが好評価を与えた物件は前述の通り、他者の視点でも好評価を得ているものです。
そして、それは売主も例外ではありません。
売主自身も自らの売地を高く評価しているならば、むざむざと安値で売却する必要はありません。
つまり大勢が好評価を下す物件程、一般的に高値が付く傾向にあります。
ようやく苦労して良さそうな土地情報発見後、予算案を立ててみたら資金的にかなり無理のある計画にしかならない。
結局断念して、また一からやり直しで時間だけを無為に浪費してしまう‥‥
こんな失敗もよく起こりがちな話です。
それではどうすれば良いか?
もうお分かりですね。
資金計画は土地情報によって左右されるものではなく、所得や家計、先々の家族のイベント、つまりライフプランによって定めるべきものです。
したがいまして、土地選びに先立って実施できる検討課題なのです。
まず資金計画を終えてから土地選び!
これが鉄則といえるでしょう。
● 住宅会社選定の注意点
土地選びから開始する家づくりで注意すべき点は資金計画だけではありません。
目ぼしい土地情報を発見し具体的な検討も進んで来ると窓口となっている不動産会社営業マンから、こんなアナウンスを受ける事がよくあります。
「もしこの土地が気に入って頂けているなら、他のお客様に先を越されない様に売買契約を急ぎ、落ち着いてから住宅会社の選定や間取りの作成をじっくり取り組んだらどうでしょう」
なるほどもっともそうな話にも聞こえます。
土地探し最優先で始めた家づくりですから、まだ建物まではピンと来てません。
でも、気に入った土地が見つかったのならば、営業氏の言う通り確実にその土地を押さえてから色々な住宅会社を見比べ、予算に見合う会社を選べば上手くという話は合理的にも聞こえます。
しかし・・・・
ここでもこの流れには2つの大きな注意点が存在するのです。
<土地購入手続きの流れとの齟齬>
土地選びで探し当てた好物件を確実に手に入れる権利を得るには売買契約締結が条件である事、後日残金の支払いをもって所有権移転し土地購入手続きが完了する流れは前述の通りです。
更に付け加えると、残金決済日は売主買主両者の合意した日時で売買契約書面に盛り込まれ、その期間は一般的に契約日から概ね1ヶ月から2ヶ月程度です。
また、土地価格全額を自己資金で準備できない場合、住宅ローンを利用しての残金決済となりますが、それにはその期間中に住宅ローンの融資審査を受け承認を得た後、融資実行の手続きを経なければなりません。
この融資審査一連の流れが注意点なのです。
何故ならこの手続きで求められる必要書類の中に土地売買契約書だけではなく、建物建築工事請負契約書写しが通常含まれているからです。
つまり、土地売買契約日から残代金決済日までの限られた時間の中で
・間取りの検討と決定
・予算額と建物見積もり金額のすり合わせ
・どの住宅会社で建築するか決定と契約
これらを済ませた後に初めて住宅ローンの融資審査手続きに進む事が可能となり、更にそこから先も審査期間、融資決定後の資金交付準備期間を経てようやく融資実行、土地決済に至る事ができます。
注意すべき点がお分かりいただけましたね。
土地契約後にゆっくりと間取りやどの住宅会社を選ぶかを検討するには、時間の猶予が極めてタイトなのです。
結果として不十分な状態で建物の検討作業を終える事となってしまっては、それこそ失敗を招きかねませんね。
<土地選びに間取りは欠かせない>
目ぼしい土地情報を見つけたら、まずはWeb上や書面で基本的要件を確認しますが、次にやるべき事は「現地の確認!」です。
写真や書類だけではなく、自分自身でその地に立ってみないとリアルな状態は分かりませんから。
でも・・・・
不動産会社の営業マンの案内は受けながらも、
・一体どこを見れば良いのか?
・観察すべき注意点は何なのか?
ポイントが定まらないまま、分かった様な分からない様な状態で現地確認を終えてしまう。
はたまた、選んだ土地に合わせた間取り図の作成を住宅会社に依頼したものの、しっくりした間取りが出来て来ない。
いくら土地の所在や価格、面積など表面スペックは把握したとしても、そのひと宅地ひと宅地は「寸法」「方位の振れ」「道路との接続」「隣地との取合い」「周囲の環境」といった要素は全て二つと同じ土地はありません。
本当に選んだその土地が自分自身の暮らしにマッチしているか否かは、その土地に最適な間取り図を作成しなければ真の検証は出来ないでしょう。
同じ敷地面積の土地であっても、これらの条件次第で間取りの完成度が大きく左右される事は寧ろ常だからです。
これが第二の注意点になります。
現地確認の際も、その土地に合わせた間取り案を備えた上であれば、
「ここにリビングが来るのか。日当たりも大丈夫そうだな」
「確かにこの土地には駐車スペースはここしか取れないね」
といった様に選んだ土地を観察するポイントも明確になりますし、何と言っても土地選びの段階で間取り図作成を合わせる事で、土地契約以後に「実は希望に合う間取りを作るには難度の高い土地だった」といった事実を知るという失敗も回避する事が出来るでしょう。
でも、皆さん自身で間取り図作成出来そうですか?
中々難しいですよね。
だからこそ土地選びの作業前に間取り図作成を相談できる住宅会社を予め選定しておく事も大切な注意点として挙げられるのです。
● 土地探索条件設定の注意点
土地選びにあたり、「どんな土地でもOK」という方はまず居ないでしょう。
寧ろ希望する様々な条件を満たした土地情報以外は注意を払うことすらないはずです。
予め細かな探索条件を定めた土地探しは、相応しくない土地情報を選ぶような失敗を避け、マイホーム計画成功にマッチした物件に出会うには合理的な方法と誰もが考えるからです。
また、的を絞る事で探索作業の効率も向上するならば、尚更絞り込みをした方が好物件を見落とす様な失敗も避けられ、発見の可能性も高まる様に感じる事でしょう。
しかしながら、当たり前の様に思える土地探索条件設定からの土地選びの流れにも、実は見落とされがちな注意点があるのです。
というのも、そうした目当ての土地条件の想いとはウラハラに、土地探しに一生懸命取り組みながらも、条件に適う土地情報が中々見つからずヤキモキしている方も多いのではないでしょうか。
ネット情報や不動産会社、ハウスメーカーの営業マンへ情報提供の依頼をするなど、手を尽くしているのに有力な情報は見つからず、目にするものはとても手の出せそうにない価格であったり、変形地など条件がイマイチだったり・・・・。
最初は「気長に探そう」と思っていたものの、こんな状態が続くと「このままじゃ希望する土地はずっと現れないのではないか」といつしか焦りに変わっていくものです。
そんな時に注意したいのは、「もうこれでいいや!」と希望していたエリア内の物件であるという一点だけで、予算に見合わなかったり道路状況や法規に課題を内包している情報に飛びついてしまう事。
焦りがピークに達した時にそんな物件を提示され、営業マンから「今後これ以上待っても希望の物件は出てこないかもしれませんよ」なんてささやかれると、「他の人に先を越されたら大変!」と検討作業も不十分なままに先走ってしまう失敗パターンは残念ながら珍しくありません。
また、時間を経過するだけ経過してしまい、家族や自身の計画実施のタイムテーブルがリミットを迎え、渋々選択条件を過度に緩めて、慌ただしく一から出直しし、それまでの時間を無為にしてしまうというケースも典型的失敗パターンのひとつと言えるでしょう。
これらの失敗事例の要因は要約すると次の様に分析できます。
まず、市中に流通している売地の総数に対して条件を絞れば絞るほど、該当する物件情報量はタイトになるという単純な確率論が前提としてあります。
その場合、好物件の遭遇機会は確度が上がらず、結果として時間の経過に頼らざるを得なくなります。
しかしながら、時間の経過も確実に遭遇の機会を得られる保証はなく、運不運次第で土地を選ぶゆとりを失うという顛末です。
それではこれに対してどの様な対策があるのでしょうか?
そのひとつの答えが土地選びの起点を土地探索条件をタイトに絞る所から始めるのではなく、希望の限界ラインを予め想定し、これを済ませた上で土地選びを開始する流れです。
その理由は二つあります。
第一に土地探索が難航し余裕を失った環境での土地選びは、時に冷静さを失いがちになるものです。
候補になりえる物件情報の少なさに探索条件を緩め事態の解決を図ろうとするものの、ズルズルと条件緩和のうちに何を重視すべきか訳が分からなくなり、見逃しやお手つきといった失敗パターンは起こりがちです。
予め冷静な状態の内に「ココまではOK」「ココからは対象外」という限界ラインが定まっていれば、判断を誤るリスクも低減できるでしょう。
第二に「限界ライン」という事は「理想条件」よりも対象は拡大するはずです。
つまり先に触れた逆の作用で、選択可能性のある物件の対象が広がり、且つ、無為な時間経過でそれらと出会うチャンスのロスを防ぐ事が見込めます。
すなわち選択肢が広がるという事。
これらを考えた時に土地選びに付随する「理想の条件」を掲げながらも、ここまでなら許容できる「限界ライン」も同時に備え、候補になり得る物件情報を確実に検討できる体制を整えた方が、確度も精度も向上すると考えられるのです。
◻︎土地選び成功の秘訣は事前準備
ここまで失敗を避ける為、土地選び前にやるべき注意点についてまとめてきました。
土地選びに限らず、マイホーム計画は検討作業のプロセスが重要です。
その流れが相応しくない状態であれば、検討課題にモレや荒さが生じる恐れは避けられず、最終的には
マイホーム計画の成否を左右してしまいます。
マイホーム計画のプロセスにおいて、とかく便利なWeb情報の活用と土地情報の収集とは特に相性が抜群です。
一方で、何から始め、どの様に進めていくかの手順はマイホーム計画に臨む多くの方々に共通する悩みでもあります。
だからこそ着手容易性の高い土地選びの手軽さは、最初の一歩を踏み出すきっかけになり得る反面、注意点であるとも言えるのです。
ここまでご一読いただいた土地購入を控えている皆さん!
今回ご紹介した3つの注意点、ご参考になされてみてはいかがでしょうか。
住宅購入コンサルタントのパートナーズライフプランニングはそうした皆様への土地選びのサポートも実施致しております。
勿論土地選びだけではなく、住宅ローンはじめとした資金計画、間取りづくり、住宅会社選びといったマイホーム計画にお悩みの方々にも専門的に幅広く対応する相談窓口であります。
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