仙台の住宅コンサルタント、パートナーズライフプランニング です。
仙台も冬らしい寒さの日が増えてきました。
マイホーム計画を進めるにあたりハウスメーカー選びの基準に断熱性能を意識する方が増える季節でもあります。
勿論新築すれば冬だけでなく春夏秋と四季を通じてマイホームでの暮らしは続きますが、冬の寒い日が続く時期に家づくりのタイミングが重なると、とかく暖かい家を求める気持ちが強くなるのでしょう。
そんな中で仙台は東北の中心都市であり、東北各地や関東出身の方々がお仕事での赴任をキッカケに定住される方が数多くいらっしゃるはずです。
巨大過ぎず適度に大きな都市機能の暮らし易さや、地理的にも東北の中心に位置し首都圏含めた交通アクセスの良さといった面が高評価のポイントなのでしょうが、そうした仙台でのマイホーム計画で気候の問題は少々頭を悩ませるかもしれません。
仙台の冬は果たして寒いのか暖かいのか?
仙台は東北の中でも南部に属しますが、北部に該当する青森、秋田、岩手出身の方々には冬の寒さ対策は生まれ付いての経験値として備わっております。
南部とは言いながらも同じ東北の仙台で新築するならば断熱性能は重視するべきとの考えの方によく出会います。
また、関東出身の方々にとって東北は北国というイメージが先立つからなのでしょうか、寒さへの警戒から同じように断熱性に力点を置いた家づくりに前向きな方も多いかもしれません。
反対に「北東北に比べれば仙台は暖かいんじゃない」「断熱性能、断熱性能とハウスメーカーはセールスするけれど他にもっと重視したい事がある」と、割とクールに断熱性と向き合う方もいらっしゃいます。
とかく他県から仙台で暮らし始めマイホーム計画開始までの期間が浅い方には気象に関する経験値というかいわゆる土地勘が備わらない中で「一体仙台の冬の寒さってどのくらい?」というものがよく分からなければ、最後はどうしても不確かな感覚頼りになるしかありません。
〇〇ハウスのオリジナル工法、△△工務店の⬜︎⬜︎工法・・・と触手を伸ばす前に、一体仙台の冬の寒さはどの位なのか数値に基づくデータを整理しておいた方が確実なのではないでしょうか。
もしその結果、過剰な断熱性能が施されておりそこまでの装備無しでも充分となれば、他の設備やゆとりのある間取りにコストを転嫁できますし、思ったよりも寒そうだとなれば今一度断熱性能について見直して見たほうが新築完成後の満足度は高まるでしょう。
そこで以前のコラムで仙台と国内他の都市との冬場の平均気温比較を取り上げました。
→仙台って寒冷地? 家の断熱性能相談に住宅コンサルタントが答える
実際のデータを並べてみると、予想通りと感じる方、意外な結果に思える方もいる事でしょう。
イメージのみに頼るのでは無く地域の実状に見合った住まいをつくりあげたいものです。
地域のイメージといえばハウスメーカーの唱えるキャッチコピーには「北海道仕様」「北欧住宅」「カナダ生まれの・・」などと、如何にも寒冷そうな地名がよく引用されます。
それに対応する住宅の様な触れ込みがあると如何にも高い断熱性能を想像してしまいますが、北海道は身近な存在ですから地理的な位置関係は容易に解るのですが、世界の中で仙台と同じ様な位置関係の国や都市はどんなところがあるのでしょうか?
マイホーム計画の頭休め、雑学ながらに一緒に見て見ませんか。
⬜︎ 仙台と同緯度の国と都市
何を持って同じ様な地理的位置関係とするかは様々切り口があるのでしょうが、気温との関連でいくと真っ先に緯度が思いつきますね。勿論気候は内陸性や海洋性、高地と低地といった特性により一様にくくれるものではありませんが、ザックリ見れば赤道から北極、南極へと緯度が上がる程に寒くなるという意味では、地域の気温と緯度の関係は一番イメージし易いのではないでしょうか。
因みに仙台市は北緯38度に位置しています。
同緯度には多くの皆さんが聞き馴染みのある都市や国でどんな地域があるのか、地図から探し出して見ましょう。
それでは仙台から西に向かってアジアからスタートです。
まずはお隣韓国のソウルですが仙台より若干南の北緯37度付近です。日本でいうと宮城県と福島県の県境付近が同緯度です。
更に西に向かうと中国に入りますが、大連や北京の南隣り天津が仙台とほぼ同じ北緯38度付近になります。北京は仙台より若干北に位置しているのですね。
そこから西方に38度に添い移動するとタクラマカン砂漠中央部、タジキスタン、カスピ海南部を通過しトルコ中央部に到達します。
トルコは国土がやや東西に長く、そのほぼ中央を38度線が通過しています。我々には一番馴染みがある地名であろうイスタンブールは北緯41度であり、日本の下北半島とほぼ同緯度です。
続いて西に向かうとギリシャに到達し、首都アテネはソウルとほぼ同じ北緯37度付近です。
さて、ヨーロッパまで至り次はイタリアですが首都ローマはイスタンブールと同じく北緯41度付近で、イタリア半島南端が38度になります。
因みにヨーロッパの主要都市を見てみると、パリ北緯48度、ロンドン北緯51度、ベルリン北緯52度、フィンランドのヘルシンキは北緯60度です。
一口に「北欧の家」といっても相当な環境と想像されます。
北海道の北端、稚内が北緯45度ですので、日本と比較するとヨーロッパ各国はかなり北に位置しているのですね。
話を仙台と同緯度に戻しましょう。
イタリアを通過するとスペイン、ポルトガルと続き、首都リスボンはほぼ仙台と同緯度です。
次は大西洋を超えてアメリカ大陸に到達しワシントンDCがちょうどこの緯度になります。
ニューヨークは北緯40度で日本の青森市とほぼ同緯度です。
因みにカナダの首都オタワは北緯45度、最大都市のトロントは北緯43度ですのでヨーロッパの各都市から見ればやや南に位置しますが何分にもカナダは広いので・・。
更に西へと北米大陸を進むとセントルイスを通過しながらアメリカ合衆国を横断しサンフランシスコのやや北側で太平洋に到達します。
この東隣は仙台ですのでこれで地球一周です。
南半球は該当地に馴染みのある地名が無くて中々ご紹介が難しいのでザックリとした位置関係で・・・。
まずアフリカ大陸は南端が南緯35度までしかありません。
オーストラリア大陸の南端、南米大陸は南北に長いチリとアルゼンチンの真ん中付近が南緯38度ですが、我々にはちょっとピンと来ないかもしれませんが、北半球と違い南半球で南緯38度というと、結構南の果てという印象です。
さて、世界各地の仙台と同緯度の都市をたどってみました。
皆さんの印象はいかがでしたか?
勿論前述の様に緯度と気象は必ずしも比例しませんが、聞き馴染みのある世界の都市と比較してみると意外に感じる部分もあったのではないでしょうか。
家づくりにおいても想像と実態のギャップはつきものです。
先入観にとらわれず柔軟な発想で検討を進め、満足ゆくマイホーム計画を実現したいですね。
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