マイホーム計画を進めていくと悩みのタネは住宅ローンの返済かもしれませんね。
勿論間取りやハウスメーカー選びも悩ましいですが住宅ローンに関する話題が一番の不安なのは多くの方に共通しているのでは?
そうした中、少しでも返済の負担を軽くするには借入額の削減が直接的ですが、それでは予算額も低下してしまい希望の家が建てられなくなってしまいます。
そんなことで悩んだ時に、家計を見直しして無駄を削減しようと思いつく方はいませんか。
それでは家計のどこに無駄が有るか?
食費は?外食を減らす?新聞止めようか?・・・
これでは生活の質に関わってしまいます。何の為のマイホーム計画か・・・・
そこで白羽の矢を立てるターゲットとして生命保険の見直しが浮上するかもしれません。
ここでの生命保険見直しとは、多くの場合毎月の生命保険料支払額を低減に向かう事です。
得てして先程あげた様な食費や娯楽費などは削減すれば即、生活クオリティーの低下を実感せざるを得なくなりますが、他の生活支出と違い毎月の生命保険料を削減しても直接的な変化は日常生活で感じることは起こらないでしょう。
何故なら生命保険の効用とは日常的なものでは無く、非常事態発生のその時に初めて機能するからです。
そんなことからマイホーム計画絡みだけでは無く、家計の支出削減策として生命保険料削減を意図した見直しを考えた経験のある方もいらっしゃるはず。
ところで皆さん自身が既に何らかの生命保険を備えている場合に、その保険がどんな内容かご存知ですか?
恐らく皆さん毎月の保険料は、通帳やカードの支払明細でどのくらいの額なのか把握されていることでしょう。
それではその生命保険はどんな場合に保険金がおりますか?
いつまで(何歳まで)保障されていますか?
また保険料もいつまで(何歳まで)支払いが必要ですか?
いかがでしょうか。
「確か入院した時だった様な気がするけど、いくらだっけ」
「万が一の時1000万くらいだったかな?よく覚えていない」
改って問われると答えに窮する方が多いのではないでしょうか。
無駄な保障を削減し、その結果として保険料の負担額が減るのであれば見直しの効果は期待できますが、保険料が安くなったのは本来備えておくべき保障が削減された結果であったとすれば果たして何の為の見直しかわからなくなってしまいます。
ましてやマイホーム計画がスタートし家族に対しての責任がぐっと重くなるタイミングでは、寧ろ充分な保障を備えておきたいものです。
前述の通り生命保険は保有していてもすぐに影響が見えません。
それだけにこうした保険の見直しでの見落としから、結果として保障内容を意図しない形でスペックダウンしてしまうケースは意外と多いものです。
生命保険の見直しでは特に保障内容と保険料の両者に偏りがない検討を意識したいですね。
また、こうした場面で「安い保険探し」に奔走する方も見受けられます。
テレビCMでも掛け金の安さを強調した保険商品を目にすることがあるでしょう。
少しでも安価な保険に切り替えれば保障を削減しなくても負担額を抑えられそうにも思えてくるのではないでしょうか。
でも・・・・
安い保険って何で安いのでしょうか?
保険料が安いのは助かりますが、肝心な時に役に立たないのでは仕方ありません。
そこでファイナンシャルプランナーの私が保険料の仕組みについてお話ししてみましょう。
⬜︎ 保険料の仕組み
物の値段には何でも根拠があります。
大別すれば原価と経費と利益の3つを合わせたものという事になるでしょう。
まずは一番大きい要素が原価ですね。
例えば住宅の値段であれば材木や基礎のコンクリート、サッシ、屋根材、設備機器といった材料費に加え、それを組み立てる大工さんの工賃が最低でも掛かります。
在庫処分などの特殊事情がなければ、この金額を下回れば確実に赤字になりますので、物の価格の基本となる額がこの原価という訳です。
それでは生命保険商品の原価とは何でしょうか?
「保険に原価なんか無いんじゃないの?」
と思うかもしれませんが保険にも原価に該当するものがあるのですが、当然材料費と工賃という訳ではありません。
それは確率的なものとでもいうべきでしょうか。
できるだけ分かりやすくご説明する為に死亡保険を例にしましょう。
加入者に万が一の事が起きた場合に保険金が保険会社から受取人に支払われるという機能は皆さんご承知の通りですが、この保険金は何処から出てきたお金でしょうか?
勿論支払うのは保険会社ですが、お金の出元は保険会社ではありませんね。
そうです。皆さんが負担した保険料がその原資になります。
それでは保険会社は加入者からいくらの保険料を受領すれば保険金の支払いに十分な準備金が確保出来るのでしょうか?
そこで登場するのが「確率」です。
まず、若い人と年配な人の万が一な事が起こる確率は同じではありません。
ここで同じ掛け金にしてしまえば若い方には負担が重く不利な仕組みになってしまいます。
それではどうするか。
同じリスク値のグループ分けをするのです。一番分かり易いのが年齢と性別ですね。
そこである期間の死亡率1%の集団が出来たとします。
実はこれで死亡保険の原価に当たるものが計算できるのです。
どういう事なのか、死亡保険金100万円の掛け金を例に見てみましょう。
まずは万が一の時100万円の保険金という事はその原資になる100万円を準備しなければなりません。
その確率1%という事は100人に1人ですので、100人につき100万円を準備しなければならないという事になります。
そうすれば誰かは分かりませんが、その100人の内そのような事態が起こってしまった1人の受取人に保険金を支払う事ができます。
それではその100万円を負担する100人はそれぞれいくらずつ負担すべきか?
もう分かりましたね1人あたり1万です。
1人1万ずつ100人で負担しあえば、この集団の万が一への備えが成り立つのです。
反対に5千円では半分しか保険金の原資が集まりませんんし、2万では余ってしまいます。
一口に要約するとこれが保険商品の原価ともいうべき計算の仕組みで、予定死亡率を基礎に計算される負担額を純保険料と呼びます。
次に問題となるのがこの保険の運営です。
誰か世話好きの人がこのやり繰りを全て行ってくれれば、原理的にはこの純保険料の通りで運営可能ですが現実にはそうはいきません。
実際は保険会社はじめとした法人がこの仕組みを運営していきます。
そうなれば当然経費が発生しますね。
先程例に挙げた住宅の値段も材料費と工賃の原価に加え、ハウスメーカー社員の給与や事務所家賃、光熱費といった事業経費が掛かります。そして当然利益もあげねばなりません。
保険会社も同様で先程の純保険料に事業経費と利益を加える必要があります。
これを予定事業費率といい、ここで計算された額は付加保険料として純保険料に加算されます。
但しそこで集めたお金は、保険金支払いの時までただ金庫保管しているのでは無く運用も行われ、それによる利益も生み出します。
これを予定利率といい保険金支払いの原資に加えられますので先にあげた純保険料の中で再計算されます。
さあ、こうした計算を経て皆さんが負担している保険料が成り立っているのです。
つまり、同じ保障内容で、保険会社のHP等から企業情報を調べても大差のない会社の保険料は原則的には似たような額になるはずであり、そこで大きな差がみられる場合には、同じに見えた保障内容に実は違いがあるのを見落としているのかもしれません。
単に「安い掛け金」だけに目を奪われず、内容確認も忘れずに行い家計設計の充実を図りたいですね。
どうすれば良いのかご不安な皆さんはパートナーズライフプランニング の「家計設計サポート」をご利用ください。
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