新築注文住宅の家づくりといえば、どの様な間取りにするかイメージするのは楽いものです。
また、間取りは使い勝手のみならず外観や内部のインテリアデザインにも影響大ですから重要なテーマ。
でも夫婦で相談し「おしゃれな家にしよう!」というところまでは一致したものの、好みのイメージが一致しなかったり、そもそもどうすればおしゃれになるのかのビジョンが浮かばないなんていうケースもあるのではないでしょうか。
特に外観デザインは間取りの構成によって姿が大きく変化します。
したがって間取り図作成前にデザインの方向性は決めておきたいのですが中々まとまらない・・・・。
完成した建物を見ればかっこいいと思える家やおしゃれだなと感じる家は有るのだけれども、肝心の我が家をどんな雰囲気に?となるとなかなか答えが見つけられずに悩んでしまうという事はあるのではないでしょうか。
「好み」という感覚的なものを手掛かりに答えを出すというのは結構難しい作業です。
そんな時にアイデアの調整やヒントになるものがあれば助かりますね。
その手掛かりとして役立つかもしれないものがあります。
それは「街並み」です。
一般におしゃれな外観デザインにしようとなると、目線は独創的な方向へ向かいやすいものです。
周りに建っていない様なオリジナリティー豊かなデザインを目指そうと知恵を絞るのではないでしょうか。
勿論、独創的なアイデアは人の目を惹き付ける力を持ちます。
こだわりをアピールするには効果的である事は間違い無いのですが、そこで先程の悩みのスパイラルに陥ってしまうかもしれません。
「でも、それってどうすれば?」
この答えを見つけ出すのに悩んでいるのですから。
それではどうするか?
独創的デザインのアプローチとは全く反対に周囲の建物と「調和」を図りおしゃれ感を演出する。
つまり「街並み」を自らのデザインに利用する。そんな方法もあるのです。
「調和?」「街並み?』聞き馴染みがある様な言葉ですが我が家の事で悩んでいるのに周囲は関係無いんじゃ無いの?と感じるかもしれません。
下の写真をご覧になってみて下さい。
ひと目でエーゲ海のおしゃれな雰囲気が伝わりますね。
青い空と海、真っ白な家々と正にエーゲ海の素敵な情景に、「こんな街で暮らせたら素敵」と憧れる方もいる事でしょう。
もう一枚こちらもどうぞ。
これも同じくエーゲ海の別の島の写真なのですが、また先程とは違ったテイストの街並みです。
雰囲気は違えどもこちらも素敵な街並みに見とれてしまいます。
そこで皆さんにお尋ねします!
この二つの写真に写る建物を見てどちらが皆さんの好みに近いですか?
「どっちも好みじゃ無い」と言わないで好みに近い方を選んでみて下さい。
どちらか選んでいただきましたか?
白壁を基調に家全体をホワイト一色に統一した家、スペイン瓦が特徴的なプロバンス風の家々、それぞれに支持は分かれるところでしょう。
同じエーゲ海風の建物といっても島々の気候、風土、伝統、文化の違いにより風情はそれぞれに特徴が際立っています。
次に今皆さんが選んだ建物を建築する建築する土地(街)が、選んだ家の写真とは反対の写真の街であったとしましょう。
そこに皆さんが選んでいただいた建物を建築することを想像してみてください。
周囲がプロバンス風の街並みにホワイト一色の家、反対に白く統一された街並みにオレンジのスペイン瓦のプロバンス風な建物と、それぞれ周囲の風情とは異なるテイストの家を我が家1軒だけが建築するという状態です。
いかがですか?
どんなに凝った造りの住まいを建築したとしても果たして素敵な建物としての評価を得られるでしょうか?
寧ろ周囲に馴染まない浮いた感じの建物としての印象を受けるのではないでしょうか。
更に掘り下げてみると、どちらの写真も街全体として素敵な雰囲気を漂わせる風情がありますが、1軒1軒の家々をみてみると必ずしも特別にかっこよく仕立てられた豪華な家々が立ち並んでいるわけでは無く、調和の取れたデザインの建物同士が相互に独特の雰囲気を醸し出し価値を高めているのが分かります。
調和の取れた街並みにアンバランスなデザインを投入し目立ったとしても、それは価値をあげる事とは反対に作用してしまう場合もあるのです。
実はこの考え方は皆さんの家づくりにも同じ事が言えます。
マイホーム計画を新築注文住宅の家づくりで進める場合に、「おしゃれな家を目指してみよう」まではたどり着くがそこから先をどうしようが今回のテーマでした。
そんな時にまずは建築地の周囲の家々を観察し何か共通点があるかどうかを確認してみてはいかがでしょうか。
例示したエーゲ海の街並みのように際立っていないまでも特徴的な何かが見つかるかもしれません。
「周囲の建物は皆壁が白系統」「サッシはシルバー系」「屋根はどこも片流れ」「道路との境界は植栽」「どちらかというとモダン系の新築が並んでいる」
何も見つからなければそこまでですが、共通する何かを見つけられたらそこに調和できるデザインをベースに組み立てていくのも一つの方法です。
調和したデザインといっても没個性ということではありません。
周囲との共通項は活かしながらもこだわりのアイデアを練っていく事には変わりありませんから。
全く白紙の状態からの創造では無くスタートラインが明示されている分、考えを整理する手掛かりには成りますが、そこから先の発想は自由です。
皆さんなりのアイデアを考えるのも良いでしょうし、ハウスメーカーの設計士に任せてみるのも良いでしょう。
お隣同士の意匠的価値を引き立てながらこだわりの我が家を表現出来れば最高ですね。
こんな流れの家づくりもあるというご紹介でした。
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