秋は資格試験の季節。
私もハウスメーカー営業マン時代から独立後にかけて宅地建物取引士、1級ファイナンシャルプランニング技能士、インテリアコーディネーターといった、マイホーム購入、家計設計のコンサルタントとして表看板としている資格を取得しました。
コンサル業を営む上での技能にこの資格取得上のスキルは大いに役立つ存在となっております。
他にもスキルアップ前の初歩段階の資格や、取得はしたもの有用性に物足りない資格もいくつかありますが、それらは事後の更新手続きも疎かになりお蔵入りに・・・。
世の中には様々な分野の資格が有り、その取得難易度や、有用性は一様では有りませんのでひとくくりには出来ないのですが、取得難易度とその資格の有用度合いはある程度比例している様に思えます。
取り敢えず一通りテキストに目を通せば取得出来る資格も有りますが、そうしたお手軽水準の技能となると活躍の機会は限られてくるのではないでしょうか。
さて、この秋受験を終えた皆さん、これから受験の皆さんは結果が待ち遠しいですね。
見事合格なさった方は、各分野での活躍をお祈りいたします。
でも・・・・
残念ながら次回再度挑戦となってしまった方は残念ですが再度チャレンジ!
でも、ものは考えようです。
再度のチャレンジが寧ろプラスになる様な機会に転換できるのであれば、遠回りになっても次への価値が高まります。
ちょっと私の資格取得の考えが次のチャンスの何かの参考になればと思いましてお話ししてみようと思います。
一口に資格といってもその用途により大きく2つに分類されます
業務独占資格と名称独占資格です。
業務独占資格はその資格を有しなければ携わる事が許されない業務に従事できるものを指し、
名称独占資格はその資格を有しなくても業務には携われるが、その名称を名乗る事が出来ないものを指します。
弁護士、司法書士、税理士、行政書士、宅地建物取引士といったものが業務独占資格に該当し、
気象予報士、マンション管理士、ファイナンシャルプランニング技能士らが名称独占資格に当たります。
その性質からしますと業務独占資格はその資格を取得しない事には対象の業務に従事出来ませんから取得目的は明白ですし、名称独占資格は肩書を名乗る事でスキル保持を表示し業務への効果を得る事が資格取得の目的となるでしょう。
つまり端的には業務独占資格は持っている事、名称独占資格は知っている事を目指すのが資格取得の目標とも言えるのではないでしょうか。
そこで敢えて問題提起したいのは名称独占資格についてです。
当然資格試験ですからどの資格も合格ラインが定められ当落が分かれる訳ですが、たとえ1点差でも越えれば合格、達しなければ不合格ですから、資格取得の準備段階ではこの合格ラインとされている水準を多くの受験者が目標とされる事でしょう。
例えば私の取得した1級ファイナンシャルプランニング技能士の試験は100点満点換算で60点が合格ラインでした。
60点程度で合格?楽勝じゃない!
と思えるかもしれませんが、私の受験回の合格率が8%程度でしたから問題レベルはそれなりの難しさです。92%が60点に達しないのですから。
難易度が高い資格ほど、合格ラインの点数は目標として強く意識され事でしょう。
「そりゃ当たり前でしょ」
と言われてしまいそうですがこんな風に考える事も出来ませんか?
仮に例えの様に60点が合格ラインとした場合、60%の知識は備えたけれども40%の知識は身に付いていないとも言えますよね。
先にも触れた通り、名称独占資格はその肩書を名乗り「知っていること」に意義があります。
という事は、当然その相手方はそのスキルをマスターしているものとして自らをみなすはずです。
実態はその資格に求められるスキルの60%しかカバー出来ていない状態だとしても相手方はそんな事知る由もありません。
そうなるとどうでしょう。
非常に単純な物言いをしますと、何か質問を受けた時、説明を求められた時に半分ちょっとは応じられるけれども半分近くには手が出ない・・・・・・・
肩書の表示から評価を得る事で業務を円滑に行うことを期待したはずが、反対に期待ハズレの烙印を押されてしまったら・・・・・
そんな時、相手方に自分はどの様に映るでしょう?
「えぇ!資格持っているんじゃないの・・・・・」
そう考えると怖くなってきませんか。
これは何も名称独占資格に限らず業務独占資格についても同じ事が言えます。
業務への従事は勿論差し支えはないのですが、業務上の相手方は当然相応のスキルをマスターしているものと見なしてくる点は名称独占資格となんら変わりません。
ある意味では更に期待値は高まっているかも。
資格を活かしたビジネスを営むのであればこんなヒヤヒヤする毎日はどんなもんでしょう。
資格って取るまでが勝負では無くて取得後の活用が勝負と考えれば、合格ラインギリギリを狙うのでは無く大きく踏み込んだところまで攻め込んだスキルをマスターすればその後の業務の質も違ってくるはず。
資格取得はゴールでは無く仕事のスタートライン。
そんな気持ちで挑めば結果も効果も期待に叶うのではないでしょうか。
合格ラインの更に奥地を目指してみませんか。