仙台のファイナンシャルプランナー、パートナーズライフプランニングの栗山です。
マイホーム購入時の住宅ローンと資産形成の預金。
負担と効果は真逆ですが双方元本に加え金利が生じます。
住宅ローンの金利は低く抑えたいですが預金金利は高い方が嬉しいですね。
「どこどこ銀行の住宅ローンよりもこっちの方が低金利だ!」
なんて具合に金利の高い低いに注目する事でしょう。
その他、住宅ローンには固定金利と変動金利というものが有ります。
一般に住宅ローンの返済期間は長期間に及び、その間市中の金利水準は一定とは限りません。
もしも返済期間中に金利変動が起きた場合、適用金利をそれに合わせ上下させるものが変動金利、あくまでも借入時点の適用金利が返済期間中維持されるのが固定金利という事になります。
また、両者を比較した場合、固定金利よりも変動金利の方が返済開始時の金利水準が低いというのが一般的です。
安定を優先するか?初頭の低金利を優先するか?
判断が分かれるところです。
それでは「金利」とはどうなると上がりどうなれば下がるのでしょうか?
今回はファイナンシャルプランのお話。
金利について考えてみましょう。
住宅購入を進めている方は経験あるかもしれませんが、住宅ローンの金利情勢について営業マンに意見を求めると、
「これだけ長期間ゼロ金利が続いているのですから金利上昇なんて考えられません」
といった趣旨の説明を受ける事があります。
でも、これだけの解説では十分な納得は得られないのではないでしょうか。
金利を考える時にまずは金利の存在意義から考えてみると理解し易いはずです。
例えば「レンタル」というものがあります。
DVDや車など貸す対象は様々ですが、共通しているのは「借り賃」が掛かること。
タダでは貸してもらえません。
この借り賃をお金の貸し借りに置き換えたものが「金利」です。
では、信用できる人と信用が低い人からお金を貸して欲しいと言われた場合に、どちらにお金を貸しますか?
これは愚問ですね。信用度の低い人を積極的に選ぶ事は無いでしょう。
しかし、そうであるならば信用度が極めて高いに者は借り手が現れるが、それに劣る者には借り手は現れない事になってしまいます(全く信用できない者は当然として)。
それでは信用度に劣る者たちはどうすればお金が借りられるでしょうか?
「一生懸命に頼む?」
それだけでは難しいでしょう。なにせ本当に返せるかに懸念があるのですから。
それではこんなお願いの仕方ならどうでしょう。
「貸してもらえればお返しする時にお礼はたくさんします」
これなら危なっかしさは有りながらも、その分利益も期待できます。
応じる人も現れる可能性があるでしょう。
これがリスクプレミアムの考え方です。
危険度が高くてもそれに応じたプレミアムが期待できるので有れば貸借成立の可能性が出てきます。
つまりリスクに応じた金利であればという事です。
反対に安全度の高い者に対してはお金の貸し手として応じる人は見つけ易いはずです。
そんな中、安全度の高い借り手に
「高めの金利で良ければ貸すよ」
と声を掛けたところで応じる事はないでしょう
「ありがとう。でももっと低い金利で貸してくれる人がたくさんいるから結構です」
てな具合に・・・。
お分りいただけましたね。
金利とは借り手の信用度によって左右されるものなのです。
それでは借り手の信用度が変わらなければ、何時でも金利は同じなのでしょうか?
答えを先に申しますとそうとは限りません。
その時々の経済環境による影響も受けるのです。
例えば物価変動。
一般的には金利水準は物価上昇率に比例すると考えられます。
なぜならば、例えば物価上昇率が10%であった場合を考えてみましょう。
現在100万円の物が1年後には110万になるかもしれないという事ですね。
こんな環境の中、軍資金は無いけれども融資を受けて100万円で物を仕入れ、1年後に110万で売り抜けられるかもしれないと、目論見を立てたとします。
問題は融資の金利です。
1%だったとすれば仕入れの100万に金利1万を加えても101万円ですから9万も儲けが期待できます。
同じ様に2%なら8万円、3%でも7万円といったように10%付近の水準までの金利で有れば借入希望者が現れることが予想されます。
それならば何も物価上昇率から乖離した低基準の金利で貸し出す必要はありませんね。
この様なメカニズムで理論的には金利水準と物価上昇率の間には相関関係が有ると考えられます。
どうですかお分かりいただけましたか。
デフレ期ともいえる平成期に低金利化が進んだ現象とも符号いたしますね。
しかしながら、これに加え金融政策による影響も当然に受ける事となり、常に理屈通りの経過をたどるとは限らないので、そこが難しいところではありますが概ねの仕組みを理解しておくと皆さんなりの読み解きに役立つのではないでしょうか。