仙台の住宅コンサルタント、パートナーズライフプラニングです。

昨今、テレビや新聞で「ウッドショック」という言葉を耳にします。

輸入木材価格が急騰している現象です。

今後新築でマイホーム計画を進める方にとっては住宅ローンの返済負担が増えるのではないかと不安に駆られるニュースではないでしょうか。

林野庁の統計によると木材自給率37.8%(2019年)の日本にとって、輸入木材価格の高騰は建築コストにアップに多大な影響が懸念されます。

報道によりますと2021年6月現在、価格の改定を実施したり近々予定している業者が経営体力のある大手ハウスメーカーも含めて出始め、他にも価格だけでは無く流通量の不足から建築材の調達にも支障をきたし工期の遅れも発生しているとの事です。

確かに私もお付き合いのある住宅営業の方々から、先々の価格や工事への影響を懸念する話を耳にいたします。

さて、このウッドショックの原因ですが、米国の住宅着工件数の急増に端を発していると解説されております。

コロナウイルス蔓延による影響で2020年5月前後に激減した米国の住宅着工件数ですが、その後のテレワークの普及等で都市部を離れ郊外への新築需要に重なり、経済金融対策としての超低金利政策による後押しで住宅建築需要が急増。

2020年5月に対し1年後の2021年4月期の住宅着工数は倍近い件数に迫る勢いです。

これにより建築材である木材市場の取引が活発になった事が直接的要因とみられております。

それに加え、海運のコンテナ不足が拍車を掛けます。

これもコロナの影響で蔓延初期に低迷した海運需要でしたが、その後レジャーを屋外では無く屋内に求めるいわゆる巣ごもり需要で家電製品や日用品の需要が活発化。

これに伴う海運需要の増加で2020年夏頃からコンテナの不足が顕著になりはじめ、低迷期の空コンテナ回送の混乱も加わり、十分な輸送量を確保できず物流に支障をきたしているということが報道されております。

 

これら要因により材木市場の価格は上昇。米国の材木先物取引市場では一連の流れの底値であった2020年4月初旬に対し2021年の5月初旬には約6倍もの価格にまで上昇しました。

ここをピークに2021年6月末現在、先物価格は落ち着きを見せ、先のピーク時の半分以下にまで戻してますが、それでもまだ約1年前の底値に対し3倍程の価格です。

また、この様な商品先物取引価格は必ずしも需要と供給の関係のみで価格が決定されるわけでは有りません。

金融商品の一種でもある商品先物取引市場には投機マネーも入り込みます。

単なる一時的な需要増による価格上昇であれば沈静化を待つという策も考えられますが、投機的要素が加わると先行きの見通しを見極める事は容易な事ではありません。

株価になぞらえれば、先々の株価の上下を予見する事の難しさと同様です。

事実、リーマンショックの遠因とも言える2000年台半ばの米国における住宅着工ブームにおける建築戸数に対して、現在住宅が急増しているとはいえボリューム的には当時の3/4程に過ぎません。

であるにも関わらず材木価格はピーク時同士の比較で4~5倍程度にも達しているのです。

この様な背景から、この先の木材価格の推移見通しについての見解も専門家筋で分かれている様です。



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さて、この様なウッドショック。

これからマイホーム計画を進める方には、住宅資金計画を左右する要因だけに気になる話題です。

しかしながら最後に触れた通り、市場の先行きを占う事は相当に難易度の高い話。

予想をたてて最適な時期に合わせてスケジュール化しようとしても、確実性という点では疑わしいものになるでしょう。

また、とかくこういった場面では「とにかく急いだ方が良いです!」「来年には価格が下落するらしいよ」といった様なハウスメーカー営業マンや周囲の知人からの話に心が動かされがちですが、そんなに話が単純でない事はお分りいただけましたね。

寧ろ、その様な情報に惑わされ冷静な判断を失わない様に心がけたいものです。

但し、大手ハウスメーカーが発信する価格改定などのプレス発表は、価格動向を知る情報として注意深く観察する事はお忘れなく。

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