間取り図作成の流れを解説 自分で描く事出来るかな?

仙台の住宅コンサルタント。パートナーズライフプランニングです。

新築注文住宅の住宅購入相談を承っていると、自分で間取り図を考えようとしてみたけど中々上手くいかなかった経験談が出て来る事が有ります。

皆さんは間取り図作成を自分でチャレンジしてみた事は有りますか?

折角のマイホーム計画、ましてや新築注文住宅であれば、家づくりでこだわってみたい間取りやインテリアのアイデアが色々有るのではないでしょうか。

そんな時、誰かに相談するだけでなく「自分でもチョット考えてみたいな~」なんて事は有りませんか?

でも、イザ描いてみよう!と準備はすれども鉛筆持って用紙とにらめっこ状態・・・・。

何から手を付ければ良いのかプランニングの進め方のツボが解らなければそこから先に進めませんね。

そこで今回は皆さん自身で間取り図を描いてみたいという方に作成手順の流れとツボを解説してみましょう。

いきなり2階建て丸ごとはハードルが高いので1階部分のみで進めてみましょう。

自分で描く事出来るかな?

 

⬜︎   何から始めるか?          

間取りを考える時、真っ先に何を思いつきますか?

住宅展示場で見たおしゃれな間取りやWebで見つけたかっこいい家のインテリアデザイン、はたまた使いやすい機能的な間取りのイメージでしょうか。

でもプランニングを試み、用紙を前に鉛筆を握った時多くの方はここで手が止まってしまう事でしょう。

「いったいどこから手を付けたら良いの?」「何から始めたら良いの?」と・・・。

頭の中に漠然としたイメージはあってもそれを形にするのは難しいものです。

実はこの様にいきなりイメージからプランニングを着手する進め方ではプロでも失敗の道を辿ります。

予めイメージを持つ事はけして間違っていません。寧ろ大切な事なのですが、プランニング作業の流れの中でもっと大事な前作業が必要なのです。

それは何か?

「敷地状況の把握」です。下の図の様に分かっている事をまずはまとめます。

よく土地の概略表現として土地面積が取り上げられます。この土地は〇〇坪といった具合にです。

しかし面積だけでは土地の形は判りません。プランニングで最も必要な情報は「地形」です。

土地をはみ出る間取りは成り立ちませんし、庭先ギリギリでは日当たりも望めません。

道路の位置関係によっては敷地の活用方法も変わってきます。

まずは敷地図を描くところから始める!

これがプランニングの流れ第一歩目です。

 

⬜︎  敷地のどこが使えそう?         

用紙に敷地の図を描き終えましたね。

でも、その敷地ビッタリに間取りを乗せれる訳ではありません。

隣地との間には空間が必要ですし庭先も欲しいですね。

まずは、最大どの範囲まで間取りを落とす事が出来るのかを線引きしてみるのが分かりやすいでしょう。

以下のポイントを目安にラインを引いてみましょう。

  • 隣地との離れは最低1m
  • 北側隣地との離れは建築法規による(第1種低層住居専用地域は概ね2m、他は1m)
  • 南庭先は日当たり確保の為、まずは5m程度を目安に

下の図がそれです。

勿論、敷地の状態や建築法規によってはこのラインの値は柔軟に対応すべきです。

特に隣地の状態(建物の具合・高低差等)は十分に考慮すべきところですが、今回はそこは深く触れません。また、北側離れは1mで線引きしました。

この赤のラインで囲まれたゾーンが間取りを載せる事が出来る最大範囲という事になります。

「よし!ここからいよいよ間取りをおしゃれに考えるぞ」と意気込みたくなりますが、ここはまだ前準備の途中。

ここからの進め方が素敵な間取り図作成の為の大事なツボなのです。

それでは次の流れに移りましょう。

 

⬜︎  重要なものから陣取り!       

前の工程で見えてきた赤のラインで囲まれたゾーンは建物が超えない様にしたい範囲を示したもので、言うなれば建物の外壁ラインの最大範囲に過ぎません。

「間取り図」として成り立たせるには各用途のお部屋をその中で区分していく必要がありますね。

その場合いきなり一足飛びに間取りの作図に入るよりは、この敷地のどの部分にどのお部屋を配置すれば暮らし易くなるのか、使い易くなりそうかを考え、優先的に扱うべき要素から順に「陣取り」をしていくのです。

これをゾーニングと言い下の図がこれです。

ゾーニングの流れを解説しましょう。まず何から始めるか?

① 駐車スペース

ゾーニングを考える時、真っ先に整理しておきたいのはお部屋じゃ無くて、実は駐車スペースの位置なのです。

何故なら駐車スペースは敷地と道路の取り合いで位置や条件が大きく左右されます

例えば道路が北側なのに南側に駐車スペースは設置できませんし、道路との高低差、道路幅員によっても出入りのし易い位置や寸法は変わってきますね。

この図の場合は建物と道路の間に2台ではチョット建物間口が窮屈ですし、庭先部分も幅5mだとこれも同じく・・・。

最適な場所は自ずと限られてきます。

それなら図の様な配置でどうだろうと、まずはここへ。

 

リビング

次はいよいよお部屋の陣取りです。

最優先は環境を充実させたいお部屋となれば、やはりリビングという事になります。

リビングを軸にダイニング、キッチンと配置していく流れが一般的で見慣れたスタイルですね。

ここで家づくりに関する「こだわり」との擦り合わせをしていきます。

「折角の新築注文住宅だから日当たりが良いといいな」

といったご希望があったとすればそれに敵う場所を確保したいですね。

この場合、南側の庭面に対して縦方向よりは横方向にLDKを配置すればその点で有効です。

 

玄関・和室

ここ迄ゾーニングの進め方は必然性の高い順番に適地を選んできました。

その流れでいきますと次は何でしょうか?

通常の答えは玄関です。

玄関は道路からの導入路(アプローチと呼びます)と関わり、それは最初に位置決めをした駐車スペースから余り距離を置かない方がまとまりが良いからです。

そうすると自ずと配置が絞られてきます。

その玄関位置をみながら和室をバランス良く配置していくと宜しいでしょう。

但し、和室の用途で優先的に扱いたいポジションが有れば、この辺りの順番は柔軟に考えてみて下さい。

 

水廻り・階段

さて、最後は水廻りと階段です。

これらは敷地の外的要件からは余り左右されず、その意味では間取り図上に柔軟に配置し易い部屋達です。

とは言いながらも、両者を比較すれば階段位置を優先的に考えた方が、そこから先にの進め方が楽かもしれません。

今回のお話は1階部分のみで解説しておりますが実際は2階建ての場合、1階が上手く出来上がっても2階で苦戦する事がよくあります。

その多くの原因は階段位置が噛み合わない事での行き詰まりです。

折角2階まで進んだのにそこで「失敗」となってはガッカリですから、ここで2階にも目配りしてポジションを選びましょう。

 

⬜︎  間取りの外周ラインが見えてきた!  

ゾーニングの流れで注意点ですが、先の解説の手順が絶対では無く、他に優先度の高い課題がある場合は臨機応変に流れの変化を付けても勿論構いません。

さて、ゾーニングも完了すれば作成している間取りの輪郭が段々と見えてきましたね。

ここから先がいよいよ「間取り」の本丸作業に入るのですが、まだゾーニングは敷地に対するお部屋の場所が決まったに過ぎません。

ここからの整理の手順は、まず外部のアウトラインを整理しておいた方がその先の流れがまとめ易いはずです。

建物の外壁のラインを線引きしてみましょう。下の図の様に

ここでのポイントは、ここラインが新築完成時の建物シルエット、つまり外観を左右します

ラインの引き方で外観の表情が変わってきますのでかっこいい家にしたい、おしゃれなデザインにしたいとお考えであれば、そこもイメージしながらまとめるのがこの工程のコツなのです。

チョット難しいかな?

 

⬜︎  間取り図完成!!          

さあ、いよいよここからは間取り図をまとめます。

ここ迄の作業からは日頃よく見る間取り図の姿はまだ見えてませんが、ここ迄の流れでもう既に間取りの骨格は出来ています。

後はゾーニングで区分した配置に合わせ、お部屋を形取りながら内壁を引き、窓や建具、キッチン等の設備品を描いていきます。

この時、家具もレイアウトした方が間取りの出来栄えの評価がし易くなるはずです。

生活空間としてのイメージが出来ますから。

図面に着色も施せばより雰囲気が出るはずです。下の図の様に。

プランニング入門編の間取り図ですので出来るだけシンプルな案にまとめましたが、本来ならこの段階でインテリアの方針も決定しそのアイデアを引き立たせる「仕掛け」を盛り込んでおくべきなのですが、そこまでいくとプロの仕事になってしまいますので・・・。


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⬜︎  間取りの見方が変わる        

いかがでしたか?

素敵な間取りで有れば有る程、思いつきでは無く必然が積み重なっておりそれは必要な進め方の手順を踏んでいるからその様な出来栄えになるという、プランニングのツボの様なものがお解り頂けましたか。

このプランニングの流れを押さえていれば相談先のハウスメーカーから提示された間取り図の読解も着目するポイントが明確になるはずです。

提案された間取り図の説明でその根拠となる敷地の解説が乏しければそれはどんなものでしょう・・・。

住宅コンサルタントの私もご相談頂いたお客様方の間取り案を作成する時は今回ご紹介した流れと同様の手順を踏みます。

但し、実務的には更に詳しい敷地情報の反映が必要ですし、1階の作業をしながらも2階の事を考え、ゾーニングをしながらも外観やインテリアデザインの事も構想したりと更に作業は複雑です。

本当におしゃれな家、素敵な家を提案し、皆さんに喜んで頂く為には更に手間を加えねばなりませんがそこのツボは秘伝のお話という事で・・・。

まずはご興味持って頂いた皆さんは今回のお話をたたき台に、お正月休みにでも脳トレでチャレンジしてみて下さい。間取りの理解力が増してくるはずです。

土地はWebサイトで気になる土地情報で敷地寸法図が掲載されていれば、それを題材にしてみてもよいかもしれません。

 

もっとも、本番の家づくりプランはプロにお任せ下さい。

住宅コンサルタントのパートナーズライフプランニングは間取り図作成だけではなく、マイホーム計画の入口である住宅ローン始めとした住宅資金計画から土地探し、ハウスメーカー選びまで家づくりをトータルでサポートする相談窓口です。

住宅ローンの返済計画や購入土地の選定、どのハウスメーカーを選ぶか等、家づくりには悩ましい課題が沢山。

そんな時は住宅購入の専門家である住宅コンサルタントにご相談いただければ、全ての課題を途切れる事なくサポートが受けられますので安心です。

初回ご相談は無料ですので是非お試しになってみては如何でしょうか。

お問い合わせはお電話やメールでも承っておりますのでお気軽にご相談ください。

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