住宅購入に向けて動き出すと、素敵な家づくりを目指して注文住宅でおしゃれな間取りづくり等と夢は広がりますが、家づくりにはまず住宅資金計画を練り上げておかねばなりません。

この住宅資金の検討で重要な位置を占めているのが住宅ローンです。

皆さんも家づくりを始めるにあたって真っ先に誰かに相談してみたいテーマではないでしょうか。

私のコンサルの中でも住宅ローンのご相談は当然重要な位置付けです。

この課題整理をしっかりまとめておきませんと資金計画=予算案が不安定になってしまいますので住宅購入計画全体に影響が及びます。

予算が狂えば建物マイホーム計画全体の規模も変わります。新築の注文住宅なら間取りも、インテリアも、家づくりで目指せる姿がだいぶ変わってきてしまいますね。

ですがこの重要なテーマである住宅ローン選び、どの位深く検討されてますか?

・仙台では〇〇銀行の住宅ローンが金利が一番低いんだって

・でも住宅ローン審査は△△銀行が一番通り易いって言われた

・□□銀行は今優遇金利キャンペーン中なんだって

ご相談窓口とされているハウスメーカーや工務店・不動産会社の担当者からも同様な案内を受けた経験はございませんか?

これらも必要な住宅ローンの検討要素ではあるのでしょうがもっと重要な事をお忘れではないでしょうか。

融資返済期間や金利タイプ(変動金利/固定金利)の選択の事です。

多くの方が「35年返済」「変動金利」を前提として住宅ローンの検討が始まり、マイホーム計画の過程で深い検討が無いまま先に挙げたような金融機関選びををもって実質的な「住宅ローンの検討」として終えてしまっていませんか。

住宅ローンを検討する上で銀行間の融資条件差と比較し返済期間・金利タイプの影響は遥かに大きい存在。

銀行選びのみで終える事なくしっかりと選択しておきたいテーマという点ではハウスメーカー選びに引けを取りません。

今回は住宅購入計画には絶対に欠かせない、住宅ローンの返済期間と金利タイプ選び(変動金利と固定金利)のお話です。

まず今回は返済期間のお話から。

ハウスメーカーや工務店、不動産会社を相談窓口として住宅購入の検討作業をされた多くの方が、住宅資金計画の説明の中でご自身の年齢に関わらず35年の返済期間で住宅ローンを勧められた、もしくは35年返済を前提とした資金計画の提案を受けた経験をお持ちではないでしょうか。

勿論35年返済でも住宅購入時のご年齢が30歳であれば65歳の定年退職時までには融資完済出来ますが、例えば35歳での住宅購入開始となりますと融資完済時には70歳になっています。

定年退職後の5年間の住宅ローン返済をどうしようという問題です。

我々のライフプランを考えてゆく上で、公的年金制度の将来見通しに大きな不安があることは以前コラム記事でも取り上げましたが、これへの対策は老後迄の蓄財と老後期の支出抑制策が考えられます。

具体的には老後期を迎える前に年金給付の不足を補える額の資金準備を実施する事と、支出抑制策というのは老後期を倹約生活で過ごすという意味ではなく、老後期に持ち越す必要の無い支出、例えば住宅ローンや生命保険料等の負担をそれ以前に終了する計画をたてましょうという事です。

そのような準備の中で完済時期が定年退職年齢を超えた住宅ローンの返済期間設定が果たして妥当なのかという問いです。

これを家づくりの相談窓口としたハウスメーカーや工務店、不動産会社の営業マンに質問した場合、勧めてきた35年返済が妥当な理由として何と答えるか?

以下のような回答をよく耳にします.

①定年退職時の住宅ローン残債額は退職金で完済しましょう。

②少しづつ繰り上げ返済をすればいいのです。

③35年返済から②で期間短縮は出来ますが伸ばすことは出来ないので長く借りる方が安心です。

④皆さん35年で借りてますし相談した銀行が貸してくれるのなら大丈夫と言う事です。

さていかがでしょうか、この説明への納得の具合は。

ひとつづつ検証してみましょう。

①  先程年金給付金の不足を蓄財した資金で補い老後期の生計を立てていく準備がライフプラン上必要だと申しましたが、蓄財とは何も継続的に貯めていく貯金ばかりを指すものではなく退職金も重要な財源です。これを融資完済に充てようでは計画性がありませんね。

 

②  繰り上げ返済とは住宅ローンを返済しながらも日々の生活費で浮いた余剰分(貯金)がある程度貯まったら先にまとめて返すと言う方法です。

でも、もし貯まらなかったらどうしましょう?

例えば35歳の方が35年返済で3000万を借り入れし(金利1%とします)65歳(30年後)を迎えた時の融資残債額はいくらでしょうか?

答えは495万円です。となりますと、定年時に完済するためには35歳から65歳までの30年間に住宅ローンの返済額とは別にこの額を貯めなければなりません。その額毎月1万3700円です。

これが出来なければ結局老後に債務を残し失敗という事。

因みに始めから65歳完済(30年返済)で組んだ場合の毎月返済額は35年返済比1万1806円増なので毎月1900円程も余計な支出となります。

始めから30年で組んだ方がお得ですね。

 

③  考え方は②と全く同じです。65歳での完済を果たす為には②と同じ準備が必要です。

これだと最初から65歳完済で組んだ場合より毎月1900円支出が増えましたが、これの30年間の総額は約70万円弱にもなります。

70万円も余計に支出するとはライフプラン上も無視できない金額です。

何となくの安心感(?)の為にこの額を余計に支出しなければなりません。

合理的な考え方とは言えませんね。

 

④  これは根拠も何も、もうお話になりません。でも割とよく使われているんですこの話法。

営業マンの技量を知る術にはなりますが・・・。

 

さて、いかがでしょうか。

住宅購入時の住宅ローンの返済期間を何年で組むのが妥当なのかは住宅資金のみならず皆さんのライフプランと密接な関わりが有るという事がご理解いただけたでしょうか。

単にハウスメーカーや不動産会社、銀行の担当者に勧められたから、だけでの選択はマイホーム計画は勿論、将来のライフプランに不安を残しそうですね。

勿論、住宅購入時のご年齢及び就業可能年数により35年返済が問題無い方は35年も検討対象として宜しいんじゃありませんか。

単に短ければ全てOKという訳では無く、ライフプランとの整合性から合理的な住宅ローン返済期間を求めていきましょうという事ですから。

今回は住宅ローンの「返済期間」について考えてみましたがいかがですか。

ハウスメーカー選びの作業に入る前に知っておきたい情報ですね。

また、住宅ローンを検討する上でもう一つの重要な要素に「金利タイプ」の選択があります。

変動金利や固定金利の事です。

これついては次回のコラムでご説明いたします。