ここ数日、急激な株安だと騒がしくなっております。

普段から株式取引のご経験が無ければピンとこないニュースに聞こえる方も多い事とは存じますが、私にも他のご相談のかたわらでいくつかご質問が寄せられています。

テクニカルなお話よりはそもそも株安って何?という入口の疑問の様です。

ファイナンシャルプランに関する出来事でもございますので、今回はこれらについての皆さんの知識整理のお手伝いをしてみようかと思います。

但し、余り専門的な話になりますと敷居が高くなりますので、報道の解説はテレビ・新聞の専門家の話にお任せして、もっと入口の株価の基礎的なところのお話しです。

株価が安くなっているとの報道ですが、そもそも株価って何でしょうか?

その辺りから整理しましょう。

まず始めに会社(株式会社)はどうやって誕生すると思いますか?

どんな会社も誕生の時があります。自然発生するわけではございませんよね。

これは会社を誕生させる発起人となる人がまず最初に生み出すのです。

しかし、この会社は誕生させるだけでは何も「資産」と呼べるものは持ち合わせておりません。土地も建物も車も現金も商品も事務用品の鉛筆さえも・・・。

どこかからこれらを調達しなければ事業は行えません。

まず最初の調達資金として出資者を募り、それらが会社へお金の提供をするところから始まります。

この提供されたお金が「資本金」であり出資者は「株主」となりその証として「株式」を所有します。株主は出資した額だけ会社を所有するというイメージです。

会社のお金の調達にはもう一つの方法があります。借りるという方法です。

先の資本金は会社視点では「もらった」に近いニュアンスですが、期限までにきちんと「返す」借りたお金も資産を調達する資金となります。

これは会社から見ると「負債」となります。貸した人は「債権者」です。

ここまでを要約すると下の図の様な構図になります。

さてここで先程の株主が会社へお金を提供する「資本金」の所にお話を戻します。

株主は会社へ資金を出資しその額に応じ会社を所有すると申しましたが、その目的は何でしょうか?

その通り、その会社が上げた儲けから自分の持分だけの分け前を得る事これが出資して株主になるという動機の大きな理由です。

では分け前はどの位貰えるのでしょうか?

ハウスメーカーを例にして仕組みを解説いたします。

まず会社は「負債」と「資本金」で調達したお金で事業に必要な「資産」を揃えます。

ハウスメーカーであればその資産を活用し住宅販売を行い「売り上げ」があがります。

ただしこの売り上げは儲けではありません。ここからコンクリート代やら木材やら設備やら職方の人工代などの費用、いわゆる原価を差し引きします。

ここで残った利益が「粗利益」となります。

ここから更に営業・設計士はじめ社員の人件費、住宅展示場など事務所の維持費、光熱費等の「販売管理費」と負債で借りていたお金の返済、利子の支払いをしなければなりません。

ここで残ったお金が「経常利益」となりますが更にここから法人税等納税をします。

そして最終的に残ったお金が「純利益」となり、この利益を少しでも多くあげることを目標に住宅販売に精を出すのです。

住宅会社以外の各業種においても仕組みは同様です。

さて、最後に残った純利益の行方ですが、2つに分配されます。

1つが会社に残す、いわば会社の貯金に当たる「内部留保」。もう一つが株主への「分け前」に当たる「配当金」です。

つまり、株主は会社が利益を上げてはじめて配当という出資の見返りを受ける事ができる事になります。

貸したお金は必ず利子が付いて返ってくるが(債務不履行以外)、配当は不確実だという事、つまりリスクが存在するという事です。

さてこうなりますと、皆さんが手持ちの資金を運用する場合「債権者」と「株主」のどちらが魅力的に映りますか?

もし「金利」と「配当」が同水準だったら当たり前に債権者になる方を選択しますよね。

得られる利益が同じであれば配当という不確実な利益を期待するより確実性の高い金利に期待した方が合理的ですね。

つまり金利の水準に対し配当の水準を上回らせる事で初めて、出資者がリスクを取ってでも株主になることに意欲的な環境が芽生えるという事になり、一般に配当は金利よりも高水準で見込まれているというのはこの様な仕組みによるものです。

それでは本題の「株価」に参りましょう。

株価とは簡潔に申しますと先の配当を得る権利の証である「株式」の値段を指します。

株主である地位は例外を除き他人に株式の譲渡という形で譲り渡すことが出来、譲渡が「売買」であった場合、株式の売買価格が株価という事になります。

「その会社が高い利益を上げるかも知れない。分け前を受け取る権利を高くても欲しい」

と考える人が多ければ、その株式の人気は上昇し株価はその期待に見合うだけの高値で取引されますし、この会社見通し暗いな、となると逆の動きとなる仕組みです。

また、この株式売買の取引の場として証券取引所の名はお耳にした事がございましょう。

全ての株式会社の株式がそこで取引されている訳ではなく予め登録を済ませた、いわゆる上場会社が株取引の対象となります。

また、報道に登場する日経平均株価とは東京証券取引所第一部上場企業約2000社の内各業種の代表的企業225社の平均株価を公表しているもので、国内有数の企業が名を連ねている事から企業活動の動向を観察する上で注目される経済指標の一つを指します。

冒頭のニュースはこの日経平均株価が大きく値を下げているという訳です。

NISAや株式投資信託等既に開始されてる方には動向が気になるところです。

原因は様々解説されておりますが、本文の仕組みを思い出しながらご覧頂くとご自身の理解もし易いのではないでしょうか。